子どもや高齢者が住宅内で事故にあういわゆる家庭内事故は意外に多いという事実をご存じでしょうか。そのうちのひとつが衝突です。万が一衝突した時にその場所がどんな形状をしているかで怪我の程度も変わってきます。そこで今回は安心して暮らせる家づくりのために、角を丸くするという配慮についてご紹介します。
住宅内で衝突しやすい場所は?
住宅の内部で最もぶつかりやすいのは壁の出隅、つまり出っ張っている部分です。部屋から部屋、廊下から部屋への移動をする際に動線上にこうした出っ張った壁があると、ぶつかったり腕や足をこすったりしやすくなります。
和室の柱も同じくぶつかりやすい箇所ですね。
また家具の角は、小さな子どもがいる場合は要注意です。テーブルやカウンター・椅子の背もたれ部分などが頭や目の部分に近いため、頭部や目の近くを強打したり大きく切って出血したりといった大怪我につながる恐れがあります。
大人も急いでいたり視界から外れていたりした際にぶつかって擦り傷を負うこともあります。またドアノブや手すりといった小さな出っ張りも小さな子どもが頭や顔をぶつけてしまいやすい部分です。
角を丸くするとどんなメリットがあるの?
前述した場所や設備について角を丸くする配慮をすることで、次のようなメリットがあります。
・衝撃を和らげる
出っ張っている壁や家具の角を丸くすることで、もし勢いよくぶつかってもその衝撃を和らげることができます。衝撃を和らげることで怪我の程度も軽くすることができますから、特に小さな子どもがいる場合は親も安心ですね。
・ソフトな印象になる
安全面だけでなく、見た目の印象においてもメリットがあります。壁の出っ張り部分の角が丸くなると曲線が生まれるため、角をとっていない場合よりもソフトで優しい印象の室内になります。
・部材が傷みにくい
壁や家具などの角を丸くしておくと、ぶつかった時の衝撃がより少なくなるのは人だけでなく壁や家具についても同じです。衝撃が弱いために破損が少なくてすむため最小限の補修でカバーできる上に、塗装のはがれなどもしにくいため長持ちします。
角を丸くする方法は?
壁の出っ張りを丸くするには、新築時であれば下地を組む際に出隅用の補強材でカーブがついている形状のものを設置してクロス仕上げをするという方法が一般的です。
今住んでいる住宅の出隅を丸くしたいという場合は、後付けできるタイプのゴム製ガードをはめこむという方法が簡単です。
家具の角は家具用の補強材として市販されているコーナークッションをはめるといいでしょう。家具の色に合わせて選ぶことができますし、不要になればすぐ外して元の状態に戻すことができます。
ドアノブにも専用のカバーがありますので、ホームセンターなどで購入して設置することをおすすめします。
手すりはできれば設置時に楕円や丸など角のない形を選択したいですね。すでに設置している手すりに角がある場合は、木製なら少し角を削ってやすりをかけ塗装し直すという方法がコストをかけずにすむのでおすすめです。