中庭は必要?

2023年04月08日 追記・変更

採光を確保でき、町屋などの雰囲気も漂い、非常に人気が高いのがパティオとも呼ばれる中庭のある家です。しかし、良い面だけではありませんので、家の強度や排水計画など対策が必要であるデメリットについても紹介していきます。

■中庭を設置する理由

さて、一軒家ならでは、そして大体の場合は注文住宅だからこそ実現できるものとして「中庭」というものがあります。

やはり中庭のある家―――というのはどこか憧れみたいなものがあります。中庭のある家というと京の町屋などが典型的な例ですね。

さて、この中庭のある家ですが、どういった理由で設置しているのでしょうか?一つは、憩いの空間としての使い方があります。

家の作りによっては、中庭を通して向かいの部屋を見ることができ、非常にリラックスができる空間となります。中庭にあるテーブルで淹れてたのコーヒーや紅茶などを愉しむティータイムができたら、心にもゆとりがもてることうけあいです。

他には、立地上どうしても採光が確保しにくい場合です。家の中心に採光できる場所として中庭を用意するという性能面での理由があります。

また、これも立地上にはなりますが、庭のスペースが思った以上に取れなかった場合。庭の代わりに中庭で代用するという使い方があります。

他にも、作り方によっては、室内と中庭を一体的につなげることで、居住空間を広く感じさせるという効果もあります。

このような理由により、中庭のある家は最近増えてきているのです。

■中庭のデメリットとは?

一方で、中庭を設置するにあたり気を付けなければならないデメリットもあります。

例えば、家の強度の問題です。中庭を作るために、どうしても間取りが凸凹になってしまうと、凹の部分に負担がかかってしまうため、耐力壁を適宜設ける必要があります。

また、家の形としても複雑な形状となってしまうため、建設費が高くなってしまう場合もあります。

さらに、当然のことですが、排水計画は綿密に考えておく必要があります。特に、集中豪雨にも耐えられる排水計画にしておかないと、水が溜まりやすい場所となってしまいます。

他にも、中庭に面する部分を全面ガラス面とすると、暖房・冷房の検討をしておく必要があります。ガラス面が多いと暖房効率・冷房効率が落ち、電気代も上がる傾向にあるので、その点も注意が必要です。

加えて、通気の部分でも、通風がしっかりと取れないと、非常にじめっとした庭になってしまいます。家の中だけではなく、中庭も含めた通風計画が必要です。

このように、中庭のある家には魅力的な部分も多いのですが、考慮しなければならない面というのも多いので、中庭を作ろうと思われている方は十分に計画してくださいね。

中庭まとめ
メリット●憩いの空間となる
●採光を確保しやすい
●庭の代わりに中庭で代用することができる
デメリット●家の強度が弱くなってしまう
●シンプルな形状の家より建設費が多少高くなる
●排水計画を考えておく必要がある
●ガラス面が多くなるため熱が伝わりやすく逃げやすくなる
●通風を確保する必要がある
【対応策の例】●耐力壁を多く設置する
●中庭に面するガラスには断熱ガラスを使用する
●設計段階で通風計画を考えておく
Author: iehome