夏場だからといって必ずエアコンに頼らなければならないわけではありません。庭から涼しい風を取り込むことができれば、エアコンに頼らずとも快適に過ごすことができるようになりますので、そのために実施したい工夫について紹介していきます。
■庭に日陰空間を作り出そう!
暑い夏、涼しく過ごすためにも風通しの良い家とすることは大事なことです。
しかし、せっかく取り込んだ風が熱風だったら・・・。
結局窓を閉めてエアコンに頼る生活になりかねません。
そうならないためにも、庭から涼しい風を家の中に取り込むということが大事になってきます。
ではそもそも涼しい空気はどこにあるかというと、当然のことながら日なたよりも日陰の方が涼しい空気になっています。
であれば、庭に日陰を多く作るということが庭から涼しい風を家の中に取り込むための重要ポイントになります。
そうすると今度はどのようにして庭に日陰を作るのかということが問題になってきます。しかし庭に日陰を作るには簡単な方法があります。
それは庭に木を植えるということです。庭に木を植えることで地面の温度も下がり、庭全体の温度を抑えることができます。
しかし庭の広さの問題からなかなか大きな木を植えることが難しいという場合もあるかもしれません。そのような場合は緑のカーテンを利用するという手もあります。但し日陰空間を広くするためにも、緑のカーテンを少し建物から離すということも大事です。
また、同様に庭の温度を下げるために、水場を設けるということも有効です。「水庭のある家」や「池は必要?」で紹介しているように、庭に水庭や池を作るだけでも家の中に入ってくる風はずいぶんと涼しくなります。
また、水庭や池が難しいという場合でも、「打ち水の効果とは?」で紹介している打ち水を行うだけでも随分と変わってきます。少しの手間ですが、結果には大きな違いがありますので、打ち水を試してみるのも良いですよ。
■採涼換気システムを使う手も・・・
さて、このように涼しい風を作り出すことができたとしても、今度はその風を家の中に取り込む必要があります。
家の前を流れているだけでは意味がないですからね。
その意味でも家の中に空気の通り道を作ってあげる必要があります。
特に暖かい空気は上に、冷たい空気は下に行く性質がありますので、下から庭の涼しい空気を取り込み、上から家の中の暖かい空気を排出するようにしましょう。
そのためにも、地窓など低い場所に窓を設けると同時に、高窓など高い場所にも窓を設けることが必要です。
「換気と日差しと階段と吹き抜け」でも紹介している通り、吹き抜けや階段を利用して1階と2階の高低差を利用することも非常に有効です。その場合は天窓などを活用することができればより空気の流れを生み出しやすくなります。
ちなみに、涼しい自然の風、という意味では少々異なるのですが、涼しい空気を家の中に取り込むという意味で、「DOMAくーる」という採涼換気システムもあります。
これは外気を日陰部分から取り込み、更に床下の土間部分を経由させたうえで家の換気を行いますので、通常の外気よりも涼しい空気で換気を行うことができます。
もちろん自然の換気ではなく、設置条件も厳しい場合がある上、当然エアコンほどの効果はないのですが、エアコンなどに比べるとエコな上で涼しい風を家の中に取り込むことができる方法ですので、庭をあまり広く取れないという場合には検討しても良いかもしれませんよ。
エコな生活をするために、冬には冬の、夏には夏に適した方法というのがあります。
無理なく庭から涼しい風を家の中に取り込むことができるようになれば、エアコンを使わずとも夏を快適に過ごすことも可能です。
ちょっとした工夫で実現できることも多いので、一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。