山形県の中部東に位置する山形市。樹氷や温泉で名高い「蔵王」や、松尾芭蕉ゆかりの「山寺」などが有名なエリアの印象ですが、いったいどのような街なのでしょうか。住む上ではどのような特徴があるのかという観点から山形県山形市について紹介していきます。
私は十年ほど前に山形市に住んでいました。約三年のアパート生活でしたが、その間に感じた山形市の感想をお伝えしたいと思います。
■その一 気候
山形県は東北地方です。また、名前のごとく山が多い地域であるため、風が吹き下ろす麓の地域などの降雪量は半端では無いほどの量です。
そのためか他県の方のイメージとして、とにかく雪が多いというものが多いのではないでしょうか。しかし、地域的な影響で言えば山形市でも街の方の降雪量は大したものではありません。
確かに隣県の仙台市などと比較すれば多いでしょうが、決して雪に埋もれるようなほど降ることはごく稀です。実際私が住んでいたアパートは山形市の中心部から若干離れた地域でしたが、三年間を通して雪で困ったというほどの降雪には遭いませんでした。
■その二 交通機関
山形市の中心部は「100円循環バス」が走っています。電車は東京などとは比較出来ない本数ではありますが、一時間前後に一本という間隔でしょうか。使い方しだいで、それなりに移動手段としての役目を果たすでしょう。
また、市内でも、街の中は比較的歩きやすいため、近場の移動であれば徒歩や自転車がいいのではないかと思いますが、様々な場所に移動するのであれば、車があれば困ることはないはずです。
■その三 人・文化・地域の特徴
良く他県の方から言われることですが、山形の人は恥ずかしがり屋であるそうです。
しかし、実際に接してみると決してそんなことは無いのでは?と感じるほど積極的で親切な方が多いというのが私の印象でした。また、いい意味で田舎であるためか、人とのつながりを大切にしてくれたり、何かにつけ世話を焼いてくれたりする方が多かったです。
文化についていえば、歌人として有名な斎藤茂吉や、童話作家として「日本のアンデルセン」と評価も高い浜田広介などの地域性に根ざした作家性を持つ文化人を輩出するような風土があるのかもしれません。山形の変化に富んだ気候やさまざまな自然の恵みなどが
バリエーションに富み、なおかつ腰の据わった人間性を育てるのでしょうか。
地域性で言えば、前述した通りに変化に富んだ気候や寒暖の差、はっきりとした四季(季節の差)などがプラスとなり全国でも有数の果物やコメ、そして世界的にも有名な米沢牛などの畜産物を生んでいます。
食べ物に関していえば、個人的な印象としては少なくとも東北の中でもトップクラスに美味しいものが並んでいるのではないでしょうか。
余談ですが、大阪から転勤してきた知人が言うには山形の蕎麦とラーメンは全国でもトップクラスで、他の食べ物も一様に「ハイレベル」らしくしばらく転勤したくないと申しておりました。あれから十年経ちましたが彼は未だに山形に居座っています。
■まとめ
・雪の心配はさほどではない
・交通機関は慣れれば不便なく移動が可能
・温泉や美味しいものなどの魅力がある
結論から言えば、都会的な生活をしたい方にはおすすめできません。
しかし、本当に美味しいものが食べたいとか、スキーやスノーボードがお好きであったり、アウトドアに目がないといった方にとってはきっと魅力的な地域ではないでしょうか。
また、街のほうに住めば、温泉やスキー場などは車で手軽に移動できる範囲ですので普段の生活と趣味の両立がしやすいと思います。
今は山形市を離れましたが、時々戻りたくなるようなたくさんの魅力がある場所でした。