愛知県瀬戸市といえば一般的には陶磁器の瀬戸物として有名です。瀬戸物としては歴史・伝統がある街ですので、旧態依然とした街かと思いきや、革新を受け入れる柔らかさを持っています。その瀬戸の街としての特徴とはどのようなものでしょうか。
■歴史・伝統に革新を持ち合わせた街!
瀬戸市は愛知県北中部に位置する市です。都心の名古屋より北東へ約20km付近に位置する一帯を指します。今回は瀬戸物で有名なこの愛知県の瀬戸について紹介していきます。
瀬戸の立地と交通についてですが、交通網は南北に走る名鉄瀬戸線と東西を走る愛知環状鉄道が市民の主要な足となっています。
これら公共電車駅より離れた一体は、名鉄バスを始め各種バスが運行し、東西南北の路線と結ばれています。交通網が東西南北に走っている為、近隣の名古屋市、岡崎市、豊田市等へのアクセスも非常に良いですね。
車でアクセスも東海環状自動車道「瀬戸品野IC」「瀬戸赤津IC」があり、東京、大阪方面への交通の便も極めて良い立地になります。
特に、豊田市、岡崎市へのアクセスの良さから、トヨタ自動車関連の従業員が瀬戸市に多く転入しており、人口は近年微増傾向となっています。
住環境としても、小学校は市内に20箇所、中学校は8箇所、特別支援学校は1箇所と、瀬戸市内のどこに住んでいても、小中学校へのアクセスは容易です。中学校等では一部遠距離通学になる生徒に対し、自転車通学が認められています。
病院は公立陶生病院、中央病院、浅井病院などの総合病院をはじめ、各種専門病院が市内に点在しています。病気にかかった場合でも、アクセスの面で困る可能性も極めて低いと言えるでしょう。
日常の買い物としてはアピタ、バロー等の全国展開の大中規模のスーパーが市内に点在しています。これに加え、地域に根ざした店舗等も点在しています。
ただ、駅近隣の場合には車なしでの生活も可能ですが、家族世帯の場合には様々な面で車を所有する必要があります。これは路線での交通の便が良いものの、路線が2路線しかないために電車での移動だけでは困難になる場所が多いためです。
さて、そんな瀬戸ですが、この地域は伝統的に「陶磁器」の産地として知られています。通常「瀬戸物」と言われ、毎年9月第2週土・日曜日に開催される「せともの祭」は、全国最大級の陶器の廉売市として有名です。全国から非常に沢山の観光客が訪れ賑わっていますので、行ったことがあるという方も多いのではないでしょうか。
この会場の中心地は、名鉄瀬戸線の終着駅「尾張瀬戸駅」周辺で行われています。「瀬戸物祭り」以外でも尾張瀬戸駅周辺は「瀬戸物」の卸店がいくつも立ち並び、日常でも陶磁器の購入を楽しめます。
更に「瀬戸物」の伝統を広めるために、尾張瀬戸駅近隣に「瀬戸蔵」なるミュージアムがあり、「瀬戸物」伝統を見て楽しめる施設もあります。
又、2005年には日本国際博覧会(愛・地球博)が瀬戸市「旧青少年公演」で開催されました。現在、万博の跡地は瀬戸万博記念公園 愛・パークとして開園しています。この公園へのアクセスは、万博時に開通したリニアモーターカーを利用することができ、乗車は東山線の終着駅藤が丘駅から利用できます。
このように歴史・伝統を持つ瀬戸ですが、近年は「瀬戸物」産業がやや落ち目になりつつあります。その落ち目をカバーする為に、新たな産業の立ち上げを官民上げて行っているところも特徴です。
例えば、新たに瀬戸牧場で育てた「瀬戸豚」のブランド肉や「せトマト」のブランドトマトなど農業を中心とした産業確立を推進しています。
またこの地域のB級グルメとして、しょうゆ味の「瀬戸焼きそば」、うなぎの蒲焼を3種の方法で食す「ひつまぶし」等が知られています。
歴史・伝統がありながら新たなチャレンジを続けている街が瀬戸です。住むという観点で考えた際には、他ではない重みと刺激のある街、ということが言えるかもしれませんね。住みながらこれからにも期待できる街に住んでみるのも良い選択肢ではないでしょうか。