北側斜線ってどんな規制?

2021年01月23日 追記・変更

土地建物における規制の中には、北側斜線という規制もあります。部屋としての利用も制限する場合がある北側斜線とはどのような規制のことで、北側斜線があることでどのような影響を受けるのか、ということについて紹介していきます。

■北側斜線のせいで部屋として使えないことも...

土地建物には様々な規制がありますが、今回は「土地建物の利用を制限する規制とは?」で紹介しきれていない規制について紹介していきたいと思います。

その規制とは、建築基準法における斜線制限の中の北側斜線についてです。ちなみに、斜線制限には北側斜線の他に、道路斜線や隣地斜線などがあります。

それでは北側斜線についてですが、家を建てるにあたって、北側に接している敷地の日当たりを邪魔しないように、規定した斜線を設けることによって、家を必要以上に高く作ることを禁止する制限のことです。

この規制のおかげで、北側に向かって屋根を傾斜する必要がある家というのが多くなっています。そしてこの傾斜を作ることによって、部屋によっては天井が傾斜することとなり、用途が制限されてしまうという可能性もあります。

そのため、天井を傾斜せざるを得なくなった場合には、通常の部屋ではなく、収納部屋として活用することが多くなります。

とはいえ、収納としても空間を有効活用できるわけではありませんので、本来はできるだけ北側斜線がかからないように建物の位置を南寄りに寄せるほうが家の使い勝手はよくなります。

■北側斜線の規制が1階に影響することも!

まあ、2階の一部屋、二部屋ぐらいなら仕方がない、と考える方もいるかもしれませんが、場合によっては一部屋二部屋ですまない場合もあります。それどころか、1階が影響を受ける場合すらあります。

1階に影響を受ける可能性がある場合とは、北側の敷地があなたの家の敷地よりも低い場合に起こります。

北側の敷地が低いと、必然的に日当たりが悪くなってしまいますので、北側の家の日当たりを確保するために、1階部分まで傾斜をつける必要が出てきてしまうこともあるのです。

もちろん、設計の工夫によっては傾斜があることの影響を極力少なくするということもできるのですが、それでも間取り上の制限が出てきてしまうことは確かです。

北側の敷地が低い場所にある場合は、特に担当の設計士の方とどのように間取りを確保するかというのはよく相談するようにしてくださいね。

北側斜線ってどんな規制?まとめ
●北側斜線とは、北側に接している敷地の日当たりを邪魔しないように、規定した斜線を設けることによって、家を必要以上に高く作ることを禁止する制限のこと
●北側の敷地が、家を建てようとしている敷地よりも低い場合、1階部分まで傾斜をつける必要が出てきてしまうことがある
Author: iehome