外壁のメンテナンスのポイント

2021年01月23日 追記・変更

家を建てる前に外壁のメンテナンスを考えることは、何の外壁を選択するかということに大きく関わってきます。知っておきたいモルタル外壁や窯業系サイディング、金属系サイディングそれぞれのメンテナンスのポイントについて紹介していきます。

■建てる前からメンテナンスのことを考えよう!

壁はどうする?」でも紹介していますが、外壁というのは様々な種類があります。

そして、それぞれ耐久性に違いはあれど、これからずっと住み続けていくにあたってまったくメンテナンスをする必要がない外壁というものもありません。

少しでも安全に長く自分の家に住みつづけるためにも必ず外壁メンテナンスの必要性が出てきます。

まだまだこれから家を建てるからメンテナンスのことなんてまだまだ先と思われるかもしれませんが、メンテナンスの時期と初めにどのような外壁を選択するかは密接に関係してきます。

高耐久の外壁を選択すればそれだけメンテナンス時期を後に伸ばすことができるからこそ、初めの段階でメンテナンスのことも考えておく必要があるのです。

ただ当然外壁の素材によってメンテナンスにおける時期もポイントも変わってきますのでそれぞれ分けて紹介していきたいと思います。

まずそもそも外壁の種類を大きく分けるとモルタル外壁とサイディングに分けられます。

そしてサイディングの中でも金属系、窯業系、木質系と分かれます。最近では樹脂系も出てきていますが、今回は金属系と窯業系に絞って紹介していきます。

同様に厳密にはレンガや木板張りなど多彩な種類がありますが、今回は割愛させてもらいます。

それではまずモルタル外壁の場合のメンテナンスのポイントについてです。

再塗装が必要な目安である外壁の痛みとしては、塗膜のクラックやヘアークラック、剥がれ、浮き、汚れ、チョーキングなどがあります。

ヘアークラックとは近くで見て初めてわかる程度の細かいひび割れのことで、このヘアークラックやちょっとした汚れ程度でしたら部分補修でもそれほど問題ありません。

ただチョーキングという壁を触ると手に粉がついて真っ白になる状態になると、徐々に防水効果が弱まってきている証拠ですので、この時期になると塗り替えの検討に入ります。

そしてこれ以外の兆候が見られる場合は、もちろん程度にもよりますが全面塗り替えを早急に考えていった方が良いでしょう。

尚塗料の種類によって耐久性が大きく変わり、種類としてはアクリル樹脂やウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂というものがあります。そしてまた別の機能として光触媒塗料もあります。

モルタル外壁の場合はある程度時期が来れば塗装の劣化が顕著に現れます。そしてその塗装の劣化をほったらかしにしてしまうと、雨水が壁の中に入ってしまい家の構造体を痛めてしまうことになりますので、劣化の兆候が見られたら早急にメンテナンスを考えるようにしましょう。

■シーリングが大きなネックになることも・・・

それでは次に窯業系サイディングです。

窯業系サイディングにおいてもモルタル外壁の塗装と同様の劣化現象が起きますので、やはり定期的な塗装の塗り替えは必要となります。

もちろんサイディングボード自体はすぐに劣化するわけではないのですが、サイディングの耐久性は結局表面塗装の耐久性となりますので、何の塗料を塗装しているかによってサイディング自体の耐久性が大きく変わることになります。

そしてサイディングの場合はシーリングの打替えが必要になる点も忘れてはならない点です。特にシーリングはある程度高耐久の塗装に比べて圧倒的に耐久性が弱いため、定期的なメンテナンスは必須となります。

更に窯業系サイディングの場合ボードの反りや割れが起こります。特に窯業系サイディングの場合釘打ちをしていますので釘付近は割れが起こりやすくなっています。そしてこの反りや割れの場合だと、程度によっては張り替えが必要なこともあります。

張り替えとなってしまうと、もちろん一部分だけの張り替えということも可能なのですが、張り替えない部分を一度剥がすということが必要になるため結局施工の手間としてはあまり変わりませんので、必ずしも応急処置としても安いとは限りません。

特に窯業系サイディングの場合注意する点として、ボードがかなり重いので家への負担が大きくなります。

費用的にそれほど極端に安くなるというわけでもないため、本当に窯業系サイディングでなければならないかどうかは事前によく検討するようにしてください。

最後に金属系サイディングです。

当然モノによりますが、一般的に金属系サイディングは高価ですが軽くて高耐久となっており、部分的な張り替えにも対応しやすくなっています。

但し、シーリングについては窯業系サイディングと同様定期的な打替えが必要となりますので忘れないでください。

また、これもモノによりますが、ぶつかるということに対して弱い場合があり、ややへこみやすいということもあります。一度へこんでしまうと治すのが大変ですので、取り替えかそのまま置いておくということになり、やや見た目が悪くなります。

そして同様に傷にも弱いです。傷がついてしまうと塗装の耐久性と関係なくなってしまい、雨がサイディングボードの中にしみこんでくるようになりますので、傷ができた際も早急な対応が必要となります。

高耐久な金属系サイディングですが、やはりいずれ劣化してきますので全く塗装が必要ないというわけでもありません。ただそれでも他の外壁に比べれば圧倒的に高耐久だと言えます。

このように外壁によってそれぞれメンテナンスのポイントというのは変わってきます。ただ最近では更なる選択肢として樹脂サイディングが出てくるようになりました。

この樹脂サイディングはシーリングが必要ない上に高耐久、そしてさらに軽量ですので今後の選択肢の一つとなってくるのではないでしょうか。

少なくとも外壁というのは当初の初期費用だけを考えるのではなく、後々のメンテナンスということまで踏まえた選択をしないと結果的に損をしてしまうことになりますので、十分時間をかけて検討するようにしてくださいね。

Author: iehome