世界の有名住宅について・・・

2021年11月23日 追記・変更

世界にはすぐれた有名な住宅が数多く点在しています。どの住宅も、それぞれ独自の世界観をもっています。今回はそんな世界観が味わえる有名住宅の旅にお連れしましょう!

ファンズワース邸

現在のデザイナーズマンションの原点ともいえるすばらしい集合住宅の数々を設計した建築家ミース・ファン・デル・ローエの最後の作品です。

アメリカイリノイ州のプラノという地域にある森の中に、ミースの知人の別荘として建てられました。

地面から1m少し浮かせてある床と屋根とが水平に伸び、屋根を支える鉄骨柱が均等に配置されている外観はとてもシンプルです。

全面ガラス張りで、水回り以外は間仕切りのないワンルームという間取りで「ユニバーサル・スペース」と名付けられています。

その後のモダニズム建築の到来を予感していたかのような開放感あふれる造りの住宅です。

カウフマン邸(落水荘)

建築の巨匠フランク・ロイド・ライトの代表作です。アメリカペンシルベニア州ピッツバーグ近郊に、デパートオーナーのカウフマン氏の別荘として建てられました。

石材とコンクリートが使われている外観はひときわ目立ちますが、自然の石のように森に溶け込むよう石材は粗く積み上げられ、コンクリートの表面も粗削りされています。

渓流の上にはみ出したリビングの床とその下に直行するバルコニーが生み出す水平性、そしてスリット状に立ち上がった石材による外壁が生み出す垂直性、この相反する特徴が重なり絶妙なバランスを醸し出しています。

広大なリビングは三方がガラス張りになっているため、渓流や滝や森の木々がゆったりと眺められるようになっています。

ロビーハウス

こちらもフランク・ロイド・ライトが設計した住宅で、アメリカシカゴ郊外にある住宅地に建てられています。

彼は内と外との一体化、水平性の強調といった当時としては画期的な建築スタイルであるプレイリースタイルを提唱していましたが、そのスタイルをまさに形にした作品のひとつです。

大きく張り出した軒や低層のスタイルなどは内と外との一体化を図るつくりになっており、内部だけで完結するものだった従来の住宅のあり方とは一線を画すスタイルといえるでしょう。

ライトは日本の建築や浮世絵などの美術に強い影響を受けたと言われており、低めの天井や内装のデザインなどに日本文化の要素が強く感じられます。

サヴォア邸

建築家のみならず画家や版画家としても才能を発揮したル・コルビジェが設計した住宅としてあまりにも有名な住宅です。

パリ郊外のポワジーにサヴォア夫妻が週末を過ごす別荘として建てられました。

地上階をガラス張りにすることで建物が空中に浮かんでいるかのように見せたり、壁や柱の設置を必要最小限にとどめて自由な空間となっている内部などル・コルビュジェが提唱していた近代建築の5原則「自由な平面」「自由な率面」「水平の連続窓」「ピロティ」「屋上庭園」が完全に表現された住宅です。

窓が多用されており、外との一体感を得られる開放感のあるつくりとなっています。

有名な住宅というのは、やはり有名になるだけの理由があります。まさに「一見の価値あり」という言葉通りです。
もちろん今回紹介した住宅は全て国外にありますので、気軽に見に行くというわけにはいきませんが、もし近くを訪問する機会がありましたら、是非少し足を運んででも見ておくことをオススメしますよ。

Author: iehome