家具の転倒を防ぐために

日常の防災対策のひとつとして意識したいのが家具の転倒防止ですね。つい見逃してしまいがちですが、いざという時に対策をしておいたかどうかで安全面に大きな差が出る可能性があります。そこで家具の転倒対策法とおすすめのグッズについてご紹介します。

家具の転倒防止を行う理由とは

平成7年に発生し甚大な被害が出た阪神淡路大震災では、建物そのものは被害がなかったものの家具の転倒や散乱によって逃げ遅れや怪我につながった人が数多くいました。日本建築学会の調査報告では、約6割の住宅内で家具の転倒や散乱が起き、避難が遅れたり骨折などの怪我を負った人が多数いたとされています。

家具の転倒防止を行っておくことは、万が一地震が起きた場合にスムーズに避難できることや怪我を負う可能性を低くし、命や家財を守ることにつながるのです。

家具の転倒防止の方法とは

家具の転倒や収納物の散乱を防ぐ方法には次のようなものがあります。

L型金具で固定する

最も簡単で有効なのは、家具の上部と壁面をL型金具で固定する方法です。壁下地の桟がある部分を探し、L型金具の両サイドを家具の上部と壁の桟とに当ててネジでとめます。
もし家具の幅と壁下地の桟の幅がうまく合わない場合は、横木を壁の桟に取り付けてまず固定し、その横木と家具とを固定するといいでしょう。

すき間埋め収納ユニットを使う

壁下地の桟がどこに入っているかよくわからない場合は、家具の上部にすき間埋め収納ユニットを置きます。収納ユニットそのものが飛び出さないよう、高さが調整できるタイプを選んで天井と隙間なく設置するようにしましょう。
つっぱり棒を使う方法は手軽ですが、家具と天井のスペースによっては効果がほとんど出ない場合があるので要注意です。

耐震ラッチをつける

家具の扉が開き戸だと、揺れの方向によっては戸が全開して中にある物が勢いよく飛び出してきてしまいます。そこである程度の揺れが生じたら開き戸をロックする耐震ラッチを取り付けると有効です。

家具の固定以外に注意したいこととは

転倒防止の対策は家具だけでなく、冷蔵庫やテレビといった家電製品やピアノにも必要です。

家電製品は各メーカーが固定金具を製造していますので、家具を固定する際と同じく壁下地の桟に合わせて金具を使用しましょう。ピアノは足元に専用のゴム台を設置すると移動や転倒を防げる可能性が高くなります。

また家具の配置も考慮しておきたいポイントです。就寝時に地震が起こった場合を考え、頭部の怪我を防止するために枕元のまわりに背の高い家具は置かないようにしましょう。

また転倒した時にドアがふさがって避難できないという状況にならないよう、出入口の近くにも家具は置かないように工夫しましょう。

ピアノなどの重量のあるものは基本的に1階に置きます。地震時に2階の床が抜けて下階にいる人が怪我をしないための対策です。

またできるだけ室内のコーナー部分に置いて万が一ピアノが倒れても安全を確保できるようにしておくといいでしょう。

こういったことは少し気をつけておくだけで、いざという時の結果が大きく変わることになります。できることから少しずつ、の意識で良いと思いますので、少しずつ対応を進めていってはいかがでしょうか。

Author: iehome