災害時に一刻も早く家の中から脱出しなければならないのに、避難経路が塞がれて家から脱出できない・・・、そんな事態は未然に防がなければなりません。家の避難経路を作るためにどのような点に気を付ける必要があるかについて紹介していきます。
■出入り口が二つあればもしもの際も安心!
大地震や火災など、もしもの際というのはいつ起きるか分かりません。
もちろん起きるかもしれませんし、起きないかもしれません。
でもいつ起きても大丈夫なように、事前に対策を取っておくことも重要です。
災害のための事前対策として、意外と考慮されていないのですが、実は大事になるのが家の避難経路を作っておくということです。
災害時というのはとかく冷静な判断をしにくくなってしまい、思いもよらない行動をとってしまうことがあります。結果家の中に閉じ込められることとなり、最悪の事態を引き起こすこともあります。
そうならないために、慌てていても逃げることができるような避難経路を作っていれば、いつどんな災害が起きても心情的にも不安が少なくなります。
さてその避難経路ですが、やはり大事なポイントとしては、全ての部屋に出入り口を二つ設けるということです。
もし出入り口が一か所しかない場合、場合によっては部屋に閉じ込められてしまう可能性もあります。しかし出入り口が2か所あれば、1か所が塞がれても、もう1か所の経路から非難することができます。
同様に、家全体に回遊性を持たせる造りにしておくことで、避難経路を複数作ることができ、どこにいても、どのような場合でも逃げ出しやすくすることができます。
そして、複数設けるのは出入り口だけではなく、階段も複数設けるほうが良いでしょう。特に階段の場合1か所しかないと、その唯一の階段が塞がれてしまった場合、どうしようもなくなってしまいます。
その意味でも、一か所は内階段、もう一か所は外階段としていると逃げやすいかもしれません。もちろん外階段とする場合は防犯等別途気を付けることも出てきますので、内階段二つでも場所を離していると問題ないでしょう。
ちなみに火災の場合は階段から上階に煙が上がってくる経路ともなりますので、煙の経路を防ぐためにももしもの場合に閉じることができる扉を用意していると良いかもしれませんね。
さらに階段の場合、災害時などで慌てていると踏み外してしまうこともありますので、「階段の踏み外しを無くすために」で紹介しているように、滑り止めやフットライトを備えておくことも忘れないようにしましょう。
同様に高齢者がいる場合は、より事前の対策を取っておくことが大事になります。慌てて逃げるとこけたり階段から転落したりということが起きやすくなりますので、階段や廊下を広く取り、手すりを両側に付けるなどのバリアフリー対応をしていることも重要ですよ。
■ドアが開かなくても破壊すれば問題ない!?
さて地震という場合には、いくら避難経路を複数用意していても、ドアが歪んで開かなくなってしまうということもあり得ます。
ドアが開かなくて閉じ込められるということを防ぐために、一般の戸建て住宅にはまだまだ普及していませんが、緊急地震速報に連動してドアを自動開放するというシステムもあります。
多くはマンションのオートロック玄関にて採用されていますが、徐々に戸建においても採用できる下地が整いつつありますので、心配な場合は検討してみる価値はあります。
ただこのような大がかりなシステムを導入しなくても、地震によりドアが開かなくなってしまった場合でも大丈夫なように、部屋ドアに関してはドアを破壊しやすいようにしておくという手段もあります。
もちろんあまりに簡単に壊れたりしても困るのですが、せめてもしもの際でも脱出できるように一部分だけでも破壊しやすい作りのドアになっていると安心です。
また「よくある火災の原因と対策」で紹介しているように、どうしても逃げ場がなくなってしまった場合でもバルコニーなどから逃げることが出来ように、避難梯子を用意しておくことも大事ですね。
ちなみに避難経路とは少し違いますが、対応が難しいのが入浴中の災害時です。
地震の場合はむしろバスルームは構造上強固に作られていることが多いので、閉じ込められないようにドアだけ開けておき、地震がおさまるまでバスルームで待機している方が良いでしょう。
しかし火災の場合は、気付いたらすぐに服を着て避難がベストとなります。そのためにも、パッと着ることができるバスウェアなどを洗面室に常備しておくということも大事になりますよ。
最後に最も大事な点として、家の避難経路を作ったら、家族全員で避難訓練をしておくという点があります。
いくら避難経路を作っていても、大事な時にパニックになってしまい逃げることができないと何の意味もありませんので、少なくとも一度は家族で避難訓練をしておくようにしましょう。
どの部屋にいるとどのような避難経路があるのかは事前に確認しておかないと分からない部分もありますので、避難経路を作って安心するのではなく、実際に訓練をしておくことを忘れないようにしてくださいね。