満足できる家づくりができるかどうかは業者選びが肝です!ここではこれから業者を選びたい、今現在業者を選んでいるという方に、業者選びを失敗しないための業者選定プロセスなどの大きな流れから営業電話の断り方などの細かな対応までについて、ここにしかない業者選びを失敗しない方法について紹介しています。
【1】業者選びの重要ポイントはお見合い!?
『業者選びは当たり外れもあるしどこがいいのか迷ってしまう・・・。どうやって探せばいいのだろう・・・。』
家づくりの業者選びで迷われている方や、分からないからと運頼みで業者を選んでしまう方というのは非常に多いです。
業者選びに失敗してしまうと、家づくり自体に失敗する確率が一気に上がってしまいます。とはいえ、誰にとっても失敗しない完璧な業者、というのは存在しませんので、自分たちで業者選定を行い、理想のパートナーを探しだす必要があります。
では、どのように業者選定を行えば理想のパートナーを探し出せるのでしょうか?
まずは業者選びの大きなプロセス、流れについて考えていきましょう。業者選びとは、ある意味ではお見合いみたいなものです。
(A)お見合いではまずは数多くの相手の写真とプロフィールを見て相手を判断して気になる相手を探します。
(B)その上で気に入った人がいれば次は実際に会ってみることになります。
(C)そして会ってみたうえでお互い気に入れば次回も会う約束を取り付け、何回も会ってお互いこの人なら良いと思えれば晴れて結婚ということになります。
ここで大事なのが、初めてお見合いをしようと思ってから結婚に至るまでにかなりの時間がかかっている、ということがわかると思います。
【2】業者選定のプロセスとは?
では、これを業者選びに置き換えて考えてみましょう。
(A)まずは数多くの業者の資料やホームページを手に入れて気になる業者を探します。
(B)その上で気に入った業者がいれば実際に会って話を聞いてみることになります。
(C)そして、会って話を聞いてみて、気に入れば図面の作成を依頼して、図面も気に入れば見積もりを出してもらい、金額・契約内容に合意すれば晴れて契約ということになります。
お見合いと違うところとしては、実際に会った後でも複数の業者と並行して関係を続けていく、ということです。お見合いでは並行して複数の人とお付き合いをする、というわけにはいきませんからね。
ただ、このように業者選定のプロセスというのはお見合いのプロセスと非常に似ています。
そして、初めは大きく先に進むにつれて対象が絞られていくさまはさながら円錐形のようです。入り口は大きいため数多くの業者が円錐形の中に入るのですが、入り口・中間・出口に設けられた審査を潜り抜けて一番下から出てくることができるのは、審査をクリアした精鋭のたった1社のみです。
このプロセスを踏むからこそ最後の1社というのは信頼するに足るパートナーとなりうるのです。
そして、このプロセスにはさらにそれぞれ重要なポイントというものが潜んでいます。
【3】業者選定プロセスの重要ポイント①
それではまずは(A)気になる業者探し、についてです。
これはお見合いでも同じですが、この段階はまだまだ初期段階ですので、お見合いでもまだまだ自分の理想が固まっていない段階です。そのため、自分の理想を固めるためにも、相手を見極める目を鍛えるためにも、まずは数多くの相手の写真やプロフィールを調べていく必要があります。
業者選びにおいても、数多くの業者の住宅カタログやホームページを見て、理想の家はどのような家がいいのか、どんな業者なのか、ということを調査していきます。
そして、調査をするためにも、数多くの業者の住宅カタログを取りそろえる必要があります。
ここで重要なのは、契約段階になってから今まで話を進めていた業者とご破談になった時にまた一から業者探しを始めなくても済むように、つまりは時間を無駄にするというリスクを回避するために、まずは検討の土台としてできるだけ多くの業者を土台に挙げる、ということです。
数多くの業者の住宅カタログを取りそろえる、ということについては下記でまた詳細に説明していきます。
ここで気になるのが、モデルハウスや資料請求を行った場合に業者から営業電話がたくさんかかってくる、ということではないでしょうか?やはり営業電話がたくさんかかってきてしまうと、いちいち対応しないといけないので結構嫌なものです。
まず、やはり一度は電話がかかってくることは多少覚悟しておきましょう。しかし、電話がかかってきた際に、必ず「まだ検討の初期段階のため、来てほしい際はこちらから連絡するから、そちらから連絡するのはやめてほしい」ということを伝えるようにしましょう。
このように伝えるだけで、その後の営業電話は無くなりますので、安心して業者選びを進めていくことができます。
もちろん、この初めの一回の対応が大変、面倒くさい、ということもあるでしょう。しかし、業者選びを失敗しないためには、この多少の手間は許容する必要があります。
この業者選びで手抜きをしてしまうと、初めに紹介したように家づくり自体の成功・失敗に大きくかかわるところですので、この一回の対応は許容範囲だと考えるようにしましょう。
もちろん業者によっては資料請求したぐらいでは営業電話をかけてこないところもありますので、極力手間を減らすためにも、「モデルハウスで安易にアンケートを書いてはいけない」で紹介しているように、モデルハウスに行った際は粗品をもらえるからと言って安易にアンケートを書かないようにしてくださいね。
家というのは何千万円もかかってくる一生に一度の非常に大きな買い物です。だからこそ、他の買い物よりも慎重に慎重に進めていくことが大事になります。
★(A)気になる業者探しの重要ポイント:
『①数多くの業者の住宅カタログを取りそろえる』
【4】業者選定プロセスの重要ポイント②・③・④
それでは次に、(B)実際に会って話を聞く、ということに関する重要ポイントについてです。
この段階になると、既にある程度自分の中での理想の家というのが固まっている必要があります。そして、その理想の家を実現できそうな業者に対してこちらからアプローチをかける、ということが必要になります。
そのため、(A)から(B)のステップに進むまでに、少なくとも3か月、長いと半年ぐらいの期間が必要だと考えておいた方がいいでしょう。
この段階においては、【あ】理想の家を実現できそうな業者を5~10社程度選んだうえで、【い】実際に会って話を聞き、【う】2~4社に絞り込む、ということが必要です。
まず【あ】ですが、ハウスメーカーにしろ工務店にしろ設計事務所にしろそれぞれ業者は特徴を持っています。その業者の特徴と自分の理想の家が合致する業者を選ぶ必要があります。
そしてこの段階ではまだ金額のことはあまり気にしなくて問題ないでしょう。特に、坪単価は気にする必要は全くありません。
ここでの重要ポイントとしては、(A)気になる業者探しの際は気になった業者は片っ端から資料を取り寄せればよかったのですが、ここではその業者は何が得意で何が苦手か、ということを見極めたうえで5~10社程度に絞り込む必要があります。
例えば、A社は木造軸組工法で建てる家は得意だが輸入住宅の建築は苦手、B社は断熱が得意だが耐震設計は苦手、などなど。
その上で、自分の理想の家を建てることができる得意分野を持つ業者を選抜していきます。 そして次に【い】実際に会って話を聞くということですが、ここでの重要ポイントは一にも二にも、営業などの契約担当者を見極める、ということが必要になります。
そのためにも、話していて感覚的に信用できる、ということも重要ですが、例えばこちらの質問に対して的確に答えてくれるか、押しが強すぎないか、自社の弱みを答えてくれるか、ということなどが大事になります。話を聞く際には、過去の現場がどこにあるのか、ということも聞いておくようにしましょうね。
最後に【う】2~4社に絞り込む、ということですが、5~10社から、2~4社に絞り込むうえで重要なポイントとしては、「過去の現場の出来・契約担当者の質・金額の乖離」のバランスが取れているかを確認する、ということです。
具体的には、過去の現場を見ることで業者の設計・施工の実力を見極め、「【い】実際に会って話を聞く」で見極めた契約担当者の質が問題ないかどうかを見極め、自分たちが思い描く理想の家と業者側が提示する家に金額的に大きな違いがないかどうかを見極める、ということが必要になります。
この3つともが最低ラインの合格点に達していれば最終の2~4社の中に含めて問題ありません。逆に、この3つのうちどれか一つでも合格ラインに達していなければその業者はやめておいた方がいいでしょう。
なぜなら、「過去の現場の出来」は過去の実績、「契約担当者の質」は現在の実力、「金額の乖離」は将来の期待、ということになり、過去・現在・将来のどこが欠けても理想の家を建てることができなくなる可能性が高くなるからです。
とはいっても、当然それぞれ全て満点の業者を探すということは難しいので、3点ともが妥協できるレベルにあるかどうか、ということを見極めるようにしてください。
★(B)実際に会って話を聞くの重要ポイント:
『②何が得意で何が苦手か、ということを見極めたうえで5~10社程度に絞り込む』
『③営業などの契約担当者を見極める』
『④「過去の現場の出来・契約担当者の質・金額の乖離」のバランスが取れているかを確認し、選抜した5~10社を2~4社まで絞り込む』
【5】業者選定プロセスの重要ポイント⑤
さて、それでは最後の(C)業者を選定して1社と契約する、ということに関する重要ポイントです。
この段階では、残った2~4社ともが提出する見積もり金額には大きな違いはないはずですので、金額の違いだけで業者を選ぶ、ということはしないようにしてください。もしどうしても金額的に押さえたい、というのであれば、「コストダウンのコツは?」などを参照してください。
この最後の選定において重要となってくるのは、「業者の見極め方」でも紹介している通り、『人を見て、組織を見て、現場を見る』ということが重要です。
まず「人を見て」ですが、ここでは契約担当者だけではなく、設計・監理・施工担当者全員を見極める必要があります。契約担当者は頼りになるけど設計担当者が頼りない、では大問題ですので、家づくりに関わる主だった担当者全員を見極めるようにしてください。
次に「組織を見て」ですが、組織体制として情報をオープンに公開してくれるか、ということが重要になります。図面にしても見積書にしても必要最低限しか提出しない業者もあります。しかし、家づくりに必要となる図面や見積書というのは非常に数多くありますので、全て施主側に公開してくれるかどうか、ということを確認してください。
情報を隠したがる業者というのは、家づくりの工事中に何か不具合があった場合も不具合を隠し通す傾向がありますので、情報をオープンにしているかどうかという点についてはよく見極めるようにしてください。
最後に「現場を見る」ですが、ここでは今現在動いている最中の工事現場を確認するようにしてください。重要ポイント④で「過去の現場の出来」がありましたが、この段階では今現在動いている工事現場の確認になります。
もちろん現場を見てもあまり分からないかもしれませんが、少なくても清掃状況などは分かりますので、現場に力を入れている業者かどうか、ということは雰囲気でも伝わります。
人を見て、組織を見て、現場を見た上で問題ない業者を選ぶことで家づくりに失敗する確率は極端に少なくなります。
★(C)業者を選定して1社と契約するの重要ポイント:
『⑤人を見て、組織を見て、現場を見る』
【6】業者選びの手間は完成した家の満足度に比例する!
家づくりのパートナーとなる業者を選ぶだけですが、ここまでで非常に時間も手間もかかってくることになります。しかし、その手間の分がそのまま理想の家へと近づくことになりますので、家づくりにおいても重要なポイントである業者選びは手を抜かないようにしてください。
もちろん、資料請求先を1件1件探すなどの手間は楽することもできますので、重要ポイントの手を抜かないために、楽ができる部分は楽をする、ということも大事です。
業者選びを失敗しないということは、後悔しない理想の家づくりにおいても肝の部分となりますので、家づくりで失敗しないためにもここでご紹介した3つのプロセスと5つの重要ポイントを忘れないようしてくださいね。
■3つのプロセス5つの重要ポイントまとめ
【7】業者選びの情報収集の肝とは!?
さて、最後になりますが、この業者選定プロセスの入り口である情報収集の肝について紹介していきます。
まず、今の日本の状況を見ていきますと、日本の中で家を建てようと思ったら非常に数多くのハウスメーカー、工務店が存在しており、それぞれの業者が各々の特徴を持っています。
参考までに、国土交通省が発表した『建設業許可業者数調査の結果について』という資料においては、令和2 年 3 月末時点の建設業許可業者数は、 472,473業者となっています。
もちろんこの中には住宅を専門としない業者も含まれていますが、現実的に考えて47万以上の業者の中からたった一社を選びぬく、ということは時間的にも手間的にも不可能に近いでしょう。
しかし、業者選びで失敗しないという目的のためには、業者選定プロセスの「(A)気になる業者探し」で紹介した通り、検討の土台にはできるだけ多くの業者を土台に挙げる、ということが必要になります。
そうするとここで問題点が発生します。
住宅カタログの資料請求を行うという初期の段階で、数多く存在する業者の中から自分の気に入る業者を選ぶための調査をしていたらあまりにも時間がかかりすぎる、ということです。
そこで、この問題点を解決するための手段としては、「ある程度カテゴリーに事前振り分け」をしたうえで一回の手間で済むように住宅カタログの一括資料請求サイトを活用する、ということです。
「ある程度カテゴリーに事前振り分け」とは、例えば、1,000万円台で建てる家や、デザインにこだわった家などの「建てたい家の条件」や、「建設予定地」などで、ある程度カテゴリーで分類することです。
カテゴリーで分類することで、せっかく住宅カタログを資料請求したのに外れだった、ということも少なくなりますので、余分な手間も減らすことができます。
ただ、一括資料請求サイトも色々あります。中には、10社程度の業者しか参加していない一括資料請求サイトもありますが、10社程度であればそもそも数多くの中から選ぶという手段から外れてしまいます。
そのため、利用した方がいい一括資料請求サイトの条件としては、建てたい家のタイプや建設予定地などのカテゴリで分けることができ、且つ参加している業者数が少なくとも300社以上、ということが最低条件になります。
住宅カタログを一括請求できるサイトとしてはSUUMOなどいくつかあります。
このようなサイトを活用することで、業者選びの余分な手間を減らすことができ、また失敗しない業者選びをするための質を上げることができますので、まだ家を建てる建築業者が決まっていないという方は早い段階でこのようなサイトを積極的に活用するようにしてみることも大事ですよ。
■情報収集のまとめ