出来れば避けたいのが軟弱地盤ですが、その軟弱地盤で起きる被害として多いのが地盤沈下。その地盤沈下の中でも特に家の構造を傷める可能性が高いのが不同沈下です。不同沈下が起きやすい土地はどのようなところかなどについて紹介していきます。
■不同沈下と圧密沈下の違いとは?
「軟弱地盤でもあきらめない」でも紹介していますが、購入した土地が実は軟弱地盤だということが分かったとしても地盤改良で対応できます。
また「万が一に備えて地盤保証もつけよう」でも紹介している通り地盤保証というものもありますのである程度安心はできると思います。
とはいえやはり避けることができるのであれば軟弱地盤の土地は避けておきたいものです。
まずそもそも軟弱地盤の場合に起きる地盤沈下には不同沈下と圧密沈下があります。不同沈下は地盤の固さがバラバラの場合に起き、傾いて沈下する状態のことを指します。
不同沈下の場合傾斜角度が緩いと目で見ただけでは分からない場合も多いのですが、次第に扉が開閉しにくくなったり三半規管に変調をきたすようになり生活自体が困難になっていきます。そこで初めて家が傾いていることに気付くこともあります。
そして建物自体も負荷が一か所に集まりやすく構造体自体を痛めてしまうこともあります。そのため不同沈下が起きていると判明した場合は早急な対策が必要となりますよ。
圧密沈下の場合は建物の重さで地盤に含まれている水分が蒸発するなどによって地盤ごと全体的に沈下する状態のことを指します。圧密沈下の場合家自体よりもガスや水道などのライフラインが寸断されることもあるため、やはりこちらも早急な対策は必要になります。
■切土と盛土の境目は特に危険!
さてそれでは実際に不同沈下しやすい土地としてはどのような土地があるのでしょうか?まずはよく紹介される地質として沖積層が挙げられます。
地質としてはこの沖積層の他に洪積層がありますが、一般的に洪積層は強固な地盤となっているため安心できます。もちろん沖積層であればどこでも不同沈下しやすいわけではないのですが、軟弱地盤が多くなりますので注意は必要です。
他には盛土があります。「傾斜地の造成方法とは?」で紹介している通り盛土の場合切土に比べて地盤を作っている分柔らかく、ある程度固まるまで造成してから3~5年の期間を必要とします。
特に切土だけ、盛土だけという土地ばかりではなく、切土と盛土の異種の地盤が混ざる場所も出てきますのでより注意が必要です。だからこそ造成記録を確認することが必要なのです。
そして当然埋立地も不同沈下など地盤沈下が起きやすいです。埋立地の場合地盤改良の実施有無で大きな違いが出てきますので地盤改良がされているかどうかの調査は必要です。
他にも谷地や崖、急傾斜地の場合は不同沈下が起きやすいです。特に集中豪雨や台風、地震などの際には土砂崩れに巻き込まれてしまう可能性も高くなり、擁壁が崩れることもありますので、その点でも注意が必要です。
尚、擁壁がある場合は擁壁のチェックも忘れないことが大事です。擁壁を作り直すには意外に多くの費用が必要ですので注意してください。
今では東日本大震災で被害が露見した液状化という可能性もありますので、自治体が公開している「液状化マップ」なども必ず確認が必要です。
地盤改良すれば概ね問題なくなることが多いのですが、当然余分な費用も必要となりますので、できるだけ地盤に問題ない土地を選ぶことが大事ということは忘れないでくださいね。