ピロティのある家

2021年01月25日 追記・変更

1階部分が柱だけで構築されているピロティのある家。デザイン的な要素よりも必要に迫られてという理由により建築されることが多くなっています。その特徴的なデザインから生み出される大きなメリットとデメリットについてご紹介します。

■ピロティにすることで土地を有効活用できる!

ピロティとは、壁の量が上階と比べて少ないことを指します。それは、確認申請における構造計算の技術基準について記載している構造関係技術基準にも明記されています。

もとはこのように構造計算用語ですが、最近では家の種類として使用されています。それは、1階部分が柱だけの家という意味です。

壁がなくて開放的な建築様式ということもあり、最近増えておりますので見たことがあるということもいるのではないでしょうか。

1階部分は駐車場やガレージなどに使用していることが多いです。2階以上は、居住空間として通常通りに居住空間として作ります。

この建築様式の家は、日本では1964年以降に普及しました。日本ではよく都市部において、3階建ての家として販売されていますね。

日本の都市部の土地の価格は、世界的に見ても高額です。そこで、やむなく狭い土地を購入せざるを得ないということがあります。しかし、土地が狭くても駐車場は必要、となった場合、わざわざ別の場所に駐車場を借りるのもあまりにももったいないです。

そこで、1階部分を駐車場とすることによって、別途駐車場の土地の確保をしなくて済むというメリットがあります。

所有する土地が広ければ広いほど、高額な税金が発生します。なので、できるだけコンパクトに住むためにはピロティ建築が適していると言えるでしょう。

■天災に強くもあり弱くもある・・・

さらに、ピロティの家の特徴としては津波に強いとされています。

壁がない分、水圧を分散させるゆえです。大津波の際にも、ピロティ建築の家は流されずに済んだという実績があります。また風も通すので、台風にも強いと言えます。

よって、海岸沿いや台風がよく通過するといった過酷な地域の土地にこそ向いているといえます。

とはいえ、地震には弱点があり、課題としては耐震対策です。

柱で建物を点で支えている構造なので、地震の横揺れや縦揺れには強度を発揮しづらい構造です。

1階部分は柱しかないので、どうしても揺れてしまいます。その揺れは当然、2階にも伝わります。よって、実際の震度より強い揺れを感じることになります。

揺れが積み重なると、当然柱にもダメージが蓄積されて強度にも影響します。柱の数が少ない場合などはその強度に不安がありますので、問題ない柱の数や強度をもった柱を構築しておく必要があります。

地域や地盤によっては、ピロティ建築に適していない場合もあります。1階に居住スペースを設けない(減らす)ということのデメリットも十分把握し、地域・地盤の特徴も十分認識したうえで採用を検討するようにしてくださいね。上手に建てれば大きなメリットを享受できますよ。

Author: iehome