一昔前は裕福の象徴でしたが、最近では一般的に普及しているのがホームエレベーター。エレベーターのある家を作るためにはどのような点に注意する必要があるのかを紹介していきます。
■ホームエレベーターはもう当たり前!?
20年ほど前ですと、家にホームエレベーターがある家というのは、裕福の象徴でした。
今でも、エレベーターのある家と聞くと、うらやましいと思う方も多いのではないでしょうか。
しかし、最近では価格がずいぶんと安くなってきましたので、ホームエレベーターを取り付ける家というのは増えてきました。
昔と変わらず3階建ての家にホームエレベーターが多いのは変わりませんが、2階建ての家にも増えてきた、というのが最近の特徴でしょうか。
もちろん増えてきた理由としては価格面の影響もあるのですが、やはり大きな理由の一つとしては日本の高齢化社会が挙げられます。
「将来ワンフロア生活できる設計に」でも紹介していますが、やはり歳を取るにつれ日常生活を送る上で段差が非常に大きな障害となります。そして段差によりつまずいてしまうと致命的な問題にもなりかねません。
となるとできればワンフロアで生活できればいいのですが、やはり家の広さの問題や間取りの都合上ワンフロアで生活し切るというのが難しい場合もあります。
そのような場合でも安全に2階へ昇り降りできるホームエレベーターは、これからの高齢化社会にとってもっともっとニーズが高くなってくる設備だと思います。
また、最近のホームエレベーターは価格が安くなってきただけではなく、インテリア性も非常に高くなっていますので、家にあっても全く違和感が無くなるようになったという点も普及が進んでいる点の一つです。
ただ、家の中にホームエレベーターを設置するにあたって、当然注意する点があります。
■将来に備えて設置予定スペースを空けておくことも必要!
まず、誰でも自由に設置をしていいわけではなく、役所へのホームエレベーターの確認申請の提出というのが必要になってきます。事故の危険もあるため、当然と言えば当然でしょう。
また、これも当然ですが、通常よりも構造の補強が必要となります。
そして、初期投資が必要なだけではなく、ホームエレベーターには法定点検もありますので、点検も含めた管理費というのが必要になってきます。この法定点検は建築基準法で義務付けられていますので、管理費がもったいないという理由で省略することはできません。
他にも万が一トラブルでエレベーター内に閉じ込められてしまった場合でも外部と連絡を取ることができるように電話機が設置されることとなりますので、電話線の引き込みなどが必要となります。
このように注意点はあるものの、やはり階段の昇り降りというのは毎日のことですので大変ですし、高齢になればなるほど危険でもありますので、設置するメリットも大きいと言えるでしょう。
もし、今すぐは必要ない、と考えられる方でも、将来設置しようかと考えているのであれば、新築時から設置予定スペースだけ決めておき、構造の強化だけをしたうえで、設置するまでは押入れや納戸として使うという方法もあります。
ホームエレベーターが増えてきているとはいえ、特に2階建ての場合ですと、もったいないという思いからホームエレベーターを設置することに抵抗がある方も多いかもしれません。
しかし、特に2方向に出入口のあるタイプの場合ですと、家の中のちょっとした段差を解消するためにエレベーターを利用するということもできます。仮に車椅子の場合ですとちょっとしたリフト代わりとすることも可能なのです。
まだまだ今は当たり前とまでは言えないかもしれませんが、これからの高齢化社会を考えたら、家の中を安全に過ごすためにもホームエレベーターを設置するということが当たり前の世の中になっているかもしれませんよ。