聚楽にこだわる!

聚楽壁は、最高級の土壁で和室を際立たせる素材。調湿機能、消臭効果、防火性能を兼ね備えた聚楽壁で、独特の繊細さを楽しむことができます。聚楽壁ならではの注意点を押さえつつ、自宅に日本の伝統美を取り入れてみませんか。

皆さんは聚楽(じゅらく)という素材をご存じでしょうか。聚楽は、古くから茶室や歴史的建造物で使用されてきた最高級の土壁です。現代でも住宅において、和室などの雰囲気を高める一助になっています。

今回は聚楽の特徴と魅力、家づくりの際の注意点をご紹介いたします。

1.聚楽の特徴

聚楽とは塗り壁の1つで「土」を仕上げとする土壁です。関東では「聚楽壁」ではなく「京壁」という名称で扱われることもあります。聚楽壁の素材は、土と砂や藁、細かい紙やスサを用いて、水でこねたものを塗り上げていきます。聚楽壁を仕上げる際は、左官職人による非常に高い技術が必要となります。

同じ土壁である「珪藻土壁」や「漆喰壁」は、あえて塗りムラをだすことでカジュアルな印象となり、洋室やリビングで採用されるケースがあります。聚楽壁の場合は、ムラなく均一に仕上げて繊細な印象とするため、和室に用いられることが圧倒的に多いです。また、着色剤を用いて、好みの色を楽しめる製品もあります。グレートーンの和室として、モダンな雰囲気を創出するのもおすすめです。

聚楽は貴重な材料のため、現代では100%天然素材の聚楽でなくとも、樹脂入りの土壁や、繊細に仕上げられた土壁を総じて聚楽壁と呼ばれるケースも多いです。

2.聚楽の機能的魅力

土壁の繊細な仕上がりで、日本の「和」を表現できるのが聚楽の魅力です。そのほかにも機能的な魅力が3つありますのでご紹介いたします。

1つ目は「調湿機能」です。湿度が高い状況では土壁が湿気を吸収し、乾燥している状態では、湿気を吐き出す作用があります。そのため、梅雨時期のカビの繁殖を抑えたり、冬の乾燥を防止したりと居室を快適に保ちます。

2つ目は「消臭効果」です。においの原因となる化学物質は、湿気の中に潜んでいます。聚楽には空気中の湿気を取り除く機能があるため、消臭効果につながります。

3つ目は「防火性能」です。自然素材ときくと燃えやすいイメージがあるのではないでしょうか。実は、聚楽の融点は1200度以上あります。木材の発火温度は400~460度程度ですので、非常に燃えにくく安全性の高い素材だと分かります。

3.聚楽を採用する家づくりの注意点

聚楽の施工には、高い技術をもつ左官職人が必要です。クロスと比較して㎡あたりの単価が上がります。聚楽を採用する面積と、見積もりを考慮して家づくりを行いましょう。予算上難しい場合は「聚楽風クロス」を検討してみるのも良いでしょう。ビニル素材となるため、調湿効果や防火性能などはありませんが、見た目は聚楽に近いものとなります。

竣工後の聚楽壁のアフターケアで、水拭きはNGです。水拭きした部分がシミの原因となります。普段のアフターケアは柔らかいほうきを使用して、ホコリをはらう程度にしましょう。

4.まとめ

今回は聚楽の特徴と魅力、家づくりの際の注意点をご紹介いたしました。聚楽でしか表現できない繊細な和の空間を、マイホームに取り入れてみてはいかがでしょうか。

Author: house building