どこに使われているのか分かりにくいけれど、実は住宅の内装において良く使われているのが漆。家のどのような部分で漆が使われているのか、また住宅の内装で漆を使うことのメリットデメリットは何があるか、ということについて紹介していきます。
■家のどこに漆を使用する?
「漆にこだわる、といっても家のどこに漆を使うところがあるの?」と思った方もいると思います。もちろん漆器などのように直接漆を壁に塗るわけではないのですが、実は住宅の内装において漆はよく使用されているのです。
とはいっても家の中を見回してもあまり漆を使っている形跡は残っていません。では住宅ではどのようにして漆を使用しているのでしょうか?
住宅の内装においては、漆は主にフローリングやテーブルなどの木材への仕上げとして使用されています。
摺り漆(すりうるし)、または拭き漆(ふきうるし)と呼ばれる技法をもって、生漆(きうるし)を木地に摺るように薄く塗っては拭き取るという作業を何回も繰り返すことで木目を美しく見せることができます。
では、木材への仕上げとして漆を使用するメリットにはどのような点があるのでしょうか?
■漆のカブレやすいという特徴には気を付けよう...
まず、漆を木材への仕上げとして使用すると、掃除がしやすかったり塗り替えがしやすかったりという点があります。漆の塗膜が木材の表面を保護してくれますので、木材が痛みにくい、という点もあります。
そして、「知っておくべき安全な塗料」でも紹介していますが、漆は自然塗料ですのでシックハウス症候群を押さえるという意味においても非常に有効です。
但し漆を住宅の内装で使用するうえで1点気を付けておくことがあります。
漆は非常にカブレやすい、ということです。もちろん人によってカブレやすかったりカブレにくかったりということはあるのですが、ある程度時間が経過するまではカブレ症状が治まらないということもあります。
ですので、もし内装の仕上げとして漆を使用しようと考えているのでしたら、まず初めに自分がどの程度漆のカブレに強いか、ということについては確認しておいた方がいいでしょう。
住んでから初めて漆にカブレやすいということに気づいてしまっても、自分の体に免疫ができるまではずっとカブレと付き合っていく必要がありますので、事前に自分が漆にカブレやすいかどうかというのは確認しておくに越したことはありません。
このように注意する点はあるのですが、体には安全な自然塗料の漆です。カブレやすいという特徴も理解したうえで住宅の内装に使用すると、見た目も美しくメンテナンスも手間がかからないという大きな恩恵も受けられますので、木材の仕上げとして漆を使用することも選択肢に入れてみてもいいのではないでしょうか。
漆にこだわる!まとめ |
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●住宅の内装においては、漆は主に木材への仕上げとして使用されている |
【メリット】 ●掃除や塗り替えがしやすく、木材が痛みにくい ●自然塗料の為シックハウス症候群になりにくい |
【デメリット】 ●人により強弱はあるものの、漆はカブレやすい |