良い土地を見つけると、他の人に取られないようにすぐに契約したくなるものですが、少し待ってください。その土地は本当に家を建てても大丈夫でしょうか?家を建てることができる場所とできない場所に何の違いがあるかについて紹介していきます。
■家を建てることが可能な場所は決まっている!
日本で家を建てようとする場合、土地さえ買えばどこでも住宅を建てられるのかというと、そういうわけではありません。住宅を建てても良い場所と、住宅を建てることができない場所とに分かれています。
では、いったいどのような基準で住宅を建てることができる、できないが分かれているのでしょうか?
まず、そもそも昔の日本には都市計画というものがありませんでした。そのため、好きなところに好きな建物を建ててしまった結果、無秩序な街並みになってしまい、都市として魅力に欠けるものになってしまいました。
だからこそその反省を活かして、無秩序に建物が乱立しないように制定されたのが都市計画法です。都市計画法では、日本でどのように国土を開発していくかを規定しています。
そして、都市計画法において、都市を計画的に開発していく都市計画区域や、もう少し狭い地域の準都市計画区域、どちらにも属さない両区域外を指定していくことになります。
この中で、特に都市計画区域内では、市街化を進めていく地域と市街化を進めない地域を区域区分として定めていくことになります。
市街化を進めていく地域を市街化区域、市街化を進めない地域を市街化調整区域と言います。このどちらにも属さない地域は非線引き区域と言います。
住宅を建てることができる地域というのは、主に市街化地域になります。市街化地域以外でも建てることはできますし、市街化地域でも建てることができない地域があるのですが、大きく分けるとこのような区分になります。
■用途地域次第で近くの建物が決まる!
そして、区域区分よりさらに詳細に何を建てるのかを規定しているのが、用途地域になります。用途地域と区域区分は必ずしもリンクするものではありませんので、下記の図を参照してください。
さて、それでは用途地域についてですが、用途地域には、12種類があります。大きく分けると、住居系・商業系・工業系の3種類に分かれるのですが、それぞれさらに細かく分かれていますので、簡単に下記の図を参照して頂ければと思います。
図を見ると、ずいぶん細かくどこに何を作るのか規定されているように感じますが、実際に厳密に分かれているというわけではありません。
例えば、住宅は工業専用地域以外ではどこでも建てることができますし、小型の飲食店ですと、第一種低層住居専用地域と工業専用地域以外ですと建てることができます。
ただ、今まで紹介している通り、ある程度どこにどの建物を建てることができる、できないということは規定されていますので、まずその土地は住宅を建てることができるのかどうかということは第一に確認するようにしてください。
せっかく苦労して見つけた土地なのに、後になってから住宅を建てることができないと分かってしまうことにもなりかねませんので、できるだけ事前に調べることを忘れないようにしましょう。
ちなみに、「悪条件化の土地とは?」で紹介している近くに欲しくない施設なども、用途地域によっては近くに建てることができませんので、よりより住居環境を求めるためにも、自分の土地の用途地域に関しては十分注意するようにしましょうね。
その土地は家を建てても大丈夫?まとめ |
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●都市計画法において、都市を計画的に開発していく都市計画区域や、もう少し狭い地域の準都市計画区域、どちらにも属さない両区域外が指定されている ●都市計画区域内には、更に区域区分として市街化区域、市街化調整区域、非線引き区域が定められている ●12種類定められた用途地域には、ある程度どこに何を建てることができるか規定されている |