家の換気について

2023年07月04日 追記・変更

高気密の住宅が増えてきた一方で、換気が適切に行われていない家が増えてきました。家づくりにおいて考えておくべき家の換気についてキーポイントを紹介していきます。

■カビや湿気は家にも人にも大敵です!

知り合いのお宅に訪問したら、やけに家の中がモワッとしていた・・・。このような経験をされている方も多いのではないでしょうか?

もしかしたら今住まわれているご自宅がそのような状況にあるのかもしれません。

この原因としては、気づかれている方も多いとは思いますが、家の換気があまり上手にできていないということが挙げられます。

換気ができていない家というのは、ただモワッとすると感じるだけであれば大きな問題にはならないのですが、何よりも問題は湿気がたまることによってカビが発生するということです。

カビは当然体にいいものではありませんし、湿気がこもること自体が家の耐久を下げるということにつながり、家の寿命を縮めてしまう元になってしまいます。

また「埃の原因と対策」で紹介している埃っぽい家にもなりがちです。

そして、「よく聞くシックハウス症候群って何?」でも紹介している通り、高気密高断熱住宅の弊害でもあるシックハウス症候群になりやすいという面もあります。だからこそ24時間換気が必須となったのですが。

やはり家族が健康に暮らすことができ、家も長持ちさせるためには家の換気を行い、カビや湿気を発生させない、埃や化学物質を溜めないということが重要になります。そしてそのためには換気を行いやすい家を作る必要あります。

もちろん換気を行いやすい家にすることで風通しが良い家となり、工夫次第で夏もエアコンに頼る頻度を少なくすることもできるため、エコな家とすることも可能になります。

快適に過ごすためにも、健康的に過ごすためにも計画的に換気を行うことができる家にすることは、家計にも地球にも優しい家にすることでもあるのです。

■風通しが悪い立地の場合は設備にこだわろう!

家の換気というのは、家の間取りの構造と開口部、設備によって決まってきます。当然風通しのいい間取りというのは設計の段階から考えておかなければ、思うように換気ができない家になってしまいます。

そのうえ、居住空間だけでなく、家全体が呼吸するように、壁や床、屋根にも適切な通気性が必要です。壁や床、屋根にも通気性を確保するために、建材の選択や設計段階でも工夫しなければなりません。

たとえば、壁材には湿気を逃がすための通気孔を設け、床下には通風口を設けることで、湿気がたまりにくくなります。

さらに、家具の配置にも注意が必要です。家具が壁にぴったりとくっついていると、その部分の通気性が悪くなり、カビの発生や壁の劣化を招く可能性があります。通気性を確保するためには、家具と壁の間に適度な隙間を設けることが推奨されます。

では、家の中のことだけ考えておけば問題ないのでしょうか?残念ながら、家の中のことだけで完璧ということはできません。なぜなら、立地も影響してくるからです。

やはり家の真ん前に大きな建物が立っていたりなど、立地にとっては風通しがあまりよくなく、どんなに風通しの良い間取りに設計していたとしても思うとおりに換気できなかったりすることがあります。

但しまったく風が吹かないことなどありませんので、少しの風でも家の中に風を取り込むための工夫というのはいくらでも考えることができます。例えば縦すべり出しの窓にすることで家の横を通りぬける風を捕まえたり、低い位置の窓の対角線に高い窓を設けることで風を抜けやすくすることができます。

また、家の換気ということで考えると何も気まぐれな風に頼りきりになる必要もありません。最近の技術の進歩で、風通しの悪い家であったとしても効果的に換気を行うことができる換気設備が多く登場しています。

最近の換気設備の進歩は必然と言えます。なぜなら、義務と要望に支えられている設備のため、進歩していかなければ他社に置いてきぼりにされてしまうからです。

義務としては24時間換気があります。先ほども紹介した通り、高気密高断熱住宅にしたことでシックハウス症候群が増えてしまい、24時間の換気が義務付けられることになりました。

そして要望としては多種多彩です。部屋の温度を下げずに換気を行いたい、必要に応じて自動で換気を行いたい、防音効果の高い換気を行いたい、などという要望が増えることとなりました。

そして、「熱交換型換気扇とは普通の換気扇と何が違う?」や「デマンド型換気システムの仕組みとは?」で紹介している通り、これらの義務、要望をかなえる換気設備というものが次々と開発されてきています。

やはりただ換気をするだけの換気設備に比べて、これら付加価値の付いた換気設備は少し予算的にはかかってしまうことになりますが、住む人にとっても家にとっても換気というのは必ず必要なものになります。

どうせ行わなければならない換気であれば、少しでも手間がかからず快適にできる換気設備の導入というのを考えてみるのも良いのではないでしょうか。

Author: iehome