熱の動きと断熱・換気について

2021年01月25日 追記・変更

熱というのは伝導や対流などいくつか種類があります。快適に過ごすためにも熱がどのように移動するのか知っておくことで対策を立てやすくなります。熱がどのように動くのか、そして熱の動きにおいて重要な断熱や換気について紹介していきます。

■熱の動きにも種類がある・・・

せっかく建てる家、やはり快適に過ごしたいものです。

家の中の生活を快適に過ごすためには夏、冬の熱について知っておく必要があります。

熱というのは一か所にとどまっているわけではなく移動します。ただ移動方法にも種類があります。

その熱の動きとしては伝導・対流・放射の3つがあります。

まず伝導とは、モノを伝わって熱が移動することです。金属を触ると伝導が分かりやすいです。金属を触ると冷たいですが、これは手の熱が金属に伝導することで冷たく感じるのです。カイロも同じですね。カイロの場合は熱が手に伝導して温かく感じます。

対流とは熱が気体や液体に乗って移動することです。現象として分かりやすいのはやはりエアコンですね。エアコンの冷気・暖気により部屋全体を涼しくしたり暖めたりできます。そして暖かい空気は上に行くことで更なる対流が起こります。

放射とは熱が電磁波の形で空間を伝わってくることです。分かりやすいのはやはり太陽熱ですね。ストーブも同じです。ただこの放射はモノを通過しませんので、間に壁や人が遮る形になると放射熱を感じることはできません。最近ではこの放射熱を利用した冷暖房も増えてきましたので要チェックです。

この熱というものは、冬場はやはり家の中に留めておきたい、そして夏場は家の中に入れないようにしたい。そのために重要なのが断熱になります。

■熱の移動を無くすことは難しい・・・

断熱は壁・屋根・開口部・床と家の全面に対して行わないと断熱効果はあまりありません。当然「断熱材の隙間は大問題」で紹介しているように断熱材に隙間があっても効果は半減します。

そもそも内断熱も外断熱も断熱効果としては違いがありません。施工上ミスが出やすいかどうかという違いだけです。だから当然外断熱でも施工ミスが起きれば断熱効果は半減してしまいます。

特に窓ガラスについては熱が移動しやすいです。だからこそ「窓ガラスの種類はたくさん!」で紹介しているエコガラスなどを採用したり2重窓にしたりすることが大事になってきます。

ただこれで熱の移動が無くなって快適に過ごすことができるかというとそうはならず、換気という問題があります。換気を行うことで結果熱が移動してしまうことになります。

今では24時間換気が義務付けられていますので必ず空気が出入りします。そのため換気による熱の移動対策についても考えておく必要があります。

そのための手段の一つとして「熱交換型換気扇とは普通の換気扇と何が違う?」で紹介している熱交換型換気扇があります。

熱交換型換気扇を利用することで熱の移動を最小限に食い止めることは可能です。ただ当然ある程度の熱の移動はあるという認識は必要ですよ。

また夏に関しては風を積極的に取り入れることで快適に過ごすことは可能になります。但しそのためには換気・通風計画を立て風が通りやすい間取りを設計する必要があります。

特に冬場はソファなど人が長時間滞在している場所に空気の通り道があると寒さを感じ快適に過ごすことが難しいため、夏場と冬場両方を踏まえた換気・通風計画を立てることが大事になります。

ちなみに家の中には電気機器が増えてきたことでこのような機器からの熱についても考慮が必要になってきました。

機器熱をいかにして活用するのか、またいかにして外に逃がすかということも考えておかなければ結局快適に過ごすことができません。

どのように熱が移動するのかを理解したうえで対策を立てることでより快適に過ごすことができるので、断熱・換気についてもよく考えるようしましょう!

Author: iehome