建築化照明の重要ポイント

2021年01月25日 追記・変更

部屋の雰囲気を作る上で照明は大きな役割を果たしますが、間接照明の一種、建築化照明とはどのような照明のことを指すのでしょうか?コーブ照明やコーニス照明、バランス照明についてや建築化照明の注意点などについて紹介していきます。

■建築化照明は雰囲気作りには欠かせない!

家の照明を考える上で外せないのが建築化照明

ただ建築化照明といってもあまり聞いたことがないという方も多いのではないでしょうか?

建築化照明とは間接照明の一種で、壁や天井の中に照明を隠しつつ壁や天井、床等を照らす照明方法です。

基本的には間接照明のことと思っていてもあまり差し支えはないと思います。部屋の雰囲気を大きく影響する照明となりますね。

さてその建築化照明にはいくつか種類があります。その種類とは、コーブ照明、コーニス照明、バランス照明になります。ちなみに「光る壁にこだわる!」で紹介した光る壁も建築化照明の一種ですよ。

ではこのコーブ照明、コーニス照明、バランス照明とはどのような照明方法のことを指し、それぞれどのような違いがあるのでしょうか?

■天井を照らすコーブ照明、壁を照らすコーニス照明・・・

まずコーブ照明ですが、壁や天井に照明器具を隠して、天井面を照らす照明になります。天井面を照らすことで反射光が部屋の明るさも得ることができます。

コーブ照明は天井面を照らしますので、やはりできるだけ天井面を優雅に見せることができるように天井面は高めの方が良いでしょう。あまり高すぎるとメンテナンスの問題が出てきますが、低すぎると優雅な雰囲気からはかけ離れてしまいます。

次にコーニス照明です。コーブ照明と対をなすようですが、コーニス照明は壁や天井に照明器具を隠して、壁面を照らす照明となります。

ただコーニス照明の場合コーブ照明よりも難しい部分があります。基本的に天井には照明器具以外あまり何もありませんが、壁の場合クーラーなどがあり、明かりを邪魔してしまう場合があります。

やはりクーラーなどがあると演出効果としては低くなってしまいますので、できるだけ何も無い壁面にコーニス照明を行う方が良いでしょう。とはいえちょっとした凸凹をつけると壁に明暗が出るといういい面もありますので、どう見せるかはよく検討が必要です。

最後にバランス照明です。バランス照明は、コーブ照明とコーニス照明を足したような照明になります。目線よりちょっと上の位置の壁に、遮光版などを取り付けた上で照明器具を隠し、上と下両方、つまり壁と天井、場合によっては床までを照らす照明になります。

バランス照明の場合注意点としては、下から覗くと照明器具が見えやすくなりますので、乳白色のアクリル板などで視線を防ぐようにする必要があります。

■照明器具は徹底的に隠してしまおう!

そしてこれはコーブ照明、コーニス照明、バランス照明共通、つまり建築化照明の注意点ですが、壁面、天井面にツヤ(光沢)がありすぎる素材を採用してしまうと照明器具が移りこんでしまう可能性があります。

建築化照明においては照明器具が見えないということが大前提ですので、たとえ反射面だとしても照明器具が見えないように気を付けましょう。

また同様に注意したい点としては光ムラです。光ムラが出てしまうとどこにどのように照明があるかが分かりやすく、あまりきれいに見えません。

だからこそ照明器具のつなぎ部分を重ねて光ムラを無くしたり、シームレスラインランプというランプの端まで均等に明るくすることができるランプを採用するなどの工夫が必要になります。

ただ建築化照明を採用する上で最も注意する点としては「光る壁にこだわる!」でも紹介している通り、メンテナンスのことまで考えた上で採用するということが必要です。

LEDを採用することも一つの手ですが、LEDでも一生もつわけではありません。中途半端に切れた照明がある建築化照明ほどカッコ悪いものはありません。

そして建築化照明はちょっとした位置の違いで見え方が大きく変わることもあります。どのように見えるかというのは事前に時間をかけて十分検討したうえで、のちのメンテナンスということも忘れずに考えることが大事になりますよ。

Author: iehome