廊下は必要?

2023年04月26日 追記・変更

無駄なスペースだと思われがちな廊下ですが、家で生活する上では各部屋の独立性や機能性を高めるなど重要な役割を持っています。幅を工夫するだけで無駄だと思われている空間が有効空間となる廊下の役割について紹介していきます。

■廊下がないとリビングが臭くなる!?

一昔前までは廊下は家の中ではあって当たり前でした。

しかし最近では、廊下は無駄なスペースだと感じる人も増えてきているのではないでしょうか?

確かに、廊下は人が通るということ以外に今まであまり使われてきませんでした。

そして廊下の役割が少ないにもかかわらず、廊下に使われる面積は意外と大きいため、廊下を削って部屋を大きくするという考えはよくわかります。

ですが、廊下というものは、各部屋の独立性や機能性を高めるためには実は欠かせないスペースでもあるのです。

例えば、もし廊下がなくトイレやお風呂、洗面所などがドアなどで間仕切られていたとしてもリビングに直接つながっていれば、トイレの音や臭い、お風呂の湿気や、洗濯機の音などがリビングという家族のくつろぎと憩いの空間に伝わってくることとなってしまいます。

さらに、リビングと各部屋が直接つながっていることで、テレビの音や話し声が各部屋に伝わりやすくなってしまい、子供の勉強や睡眠など各部屋の独立性を妨げてしまうこととなります。

また来客時にもプライベート空間を通さずに客間に案内することも可能となります。

そのため、もし廊下を省くという選択肢を取った場合は、家の動線・間取りを最大限に考慮する必要があるのです。

このように、廊下はただ無駄なスペースというわけではなく、当然役割があるのですが、その廊下自体も考え方や工夫次第で楽しい、便利なスペースとして活用することもできます。

例えば、廊下に壁面収納や作り付けの本棚を設置することで、便利でオシャレなスペースに変えることもできますし、廊下に手すりをつけることで生活しやすい空間に変えることもできます。

スペースの問題だけでなく、廊下の役割、機能ということも踏まえて廊下をどうするか、どのように設置するかを考えてみてはいかがでしょうか?

■廊下の幅にも気をつけよう!

ただもちろん良いことばかりというわけではなく、廊下があることで弊害が出る場合もあります。

例えば廊下があることで、子供が外から帰ってきた際に、家族と顔を合わすことなく自分の部屋に直行することが出来てしまいます。

もちろん廊下と玄関との位置を工夫することでこのようなことは防ぐことも可能ですが、その分間取りに制約が出来てしまいます。

他にも廊下があることで得ることができるメリットの反対になりますが、各部屋の独立性を高める代わりに、家族の気配を感じにくくなってしまいますし、部屋ごとの寒暖の差が大きくなりがちになります。

もちろん廊下分各部屋が狭くなってしまうというのも大きなデメリットの一つですし、廊下があることで部屋と部屋をつないで利用するということも難しくしています。

他にも掃除が手間になるという面もあります。特に狭い廊下の空間に家具やインテリアなどを置いている場合、掃除の妨げとなり、より掃除がしにくい空間になりがちです。

そして廊下を長くしすぎると家の動線が長くなり、生活が不便になるという面もあります。

このように廊下を作ることで大きなメリットもあれば、やはり大きなデメリットもありますので、作る作らないはどのように家を利用したいかによって変わってきます。だからこそまずは廊下が必要かどうかは考えるようにしてください。

そして廊下を作るのであればやはり注意点もあります。例えば照明の問題です。廊下は、自然光が入りにくい場所であることが多くなりますので、適切な照明設計が必要になります。明るく、快適な空間になるように照明の配置や明るさの工夫が必要になります。

また設置場所にもよりますが、家の中心に廊下を作った場合は窓が少なくなりがちですので、換気が悪くなることもあります。適切な換気計画が必要になります。

他に大事な点として、廊下を作るのであれば、廊下の幅についても設計するときに気を使ってください。

少しでもスペースを有効活用したいからと廊下の幅を狭めすぎてしまいますと、同居する家族や来客者とすれ違う時にぶつかってしまったり、幅がないことで体を横にして壁づたいにすれ違ったりしなければならなくなりますので、ある程度の幅を取る必要があります。

また将来手すりの取り付けが必要になった場合に、手すり分さらに廊下が狭くなってしまい、車椅子などは通ることができなくなる場合もあります。

幅を狭めてしまうことで後々廊下について後悔することにもなりかねませんから、もし設置するのであれば、少なくとも難なくすれ違うことができ、手すりを取り付けても問題無いぐらいの幅の広さは取るようにしてくださいね。

Author: iehome