換気と日差しと階段と吹き抜け

2021年01月21日 追記・変更

快適な家にするためには、いかに日差しを取り込むか、そしていかに換気しやすい家とするかが重要になります。そのために大きなポイントになるのが階段と吹き抜け空間。階段と吹き抜け空間が換気と日差しにどのように関わるかを紹介していきます。

■吹き抜けは日差しと空気の通り道に!

屋根の形とエコの家」では屋根の形と日照・通風について取り上げました。

ただ屋根の形だけでは1階の日差しに影響を与えることができません。

特に住宅密集地の場合日当たりが悪いことも多く、1階への日差しは非常に大きな問題となります。

そこで重要になるのが吹き抜け

吹き抜けのメリットデメリットについては「吹き抜け空間を作る」でも紹介していますが、日の当たる南側に吹き抜け空間を作ることで1階へも日差しを届けることができます。

吹き抜け空間を広く作れば作るほど1階の奥まで日差しを届けることができますので、特に日当たりに問題が見込まれる場合は、是非吹き抜け空間を用意しておきたいところです。

そして吹き抜けは日差しを確保するためだけのものではありません。

北側に吹き抜けをつくれば、1階から2階への風の通り道となり、換気に大きな影響を与えます。

特に暖かい空気は上に上がる性質を利用し、吹き抜けの上部にハイサイドライトを設けると、より空気が抜けやすくなります。

このように吹き抜けには日差しと換気に大きな影響を与えますので、是非とも設けたいものにも思えますが、やはり同時に大きなデメリットも存在します。

大きなデメリットの一つが吹き抜け空間を床として利用できないということで、特にあまり大きくない家の場合致命的な問題にもなり得ます。

そして暖房効率が悪くなるという点もありますね。空間が広くなっているという点もありますが、暖かい空気は上昇するため、2階部分ばかり暖まり、1階がなかなか暖まりにくくなってしまいます。

暖房効率を解消するためにはプロペラファンを回したり、カーテンで1階と2階を区切ってしまうという手段もあります。

■吹き抜け空間の代わりに階段を利用!

さて特に致命的な問題である広さの点から、吹き抜け空間を作ることが難しいという場合もあり得ます。

そのような場合、吹き抜け空間に似た役割のもので代用することもできます。

吹き抜け空間に似た役割、つまり1階と2階をつなげるという意味では、平屋以外の家では必ず設けられている階段の存在があります。

階段横に窓を設けることで日差しを1階に届け、空気を2階に届けやすくなります。

但し階段の造りには気を付ける必要があります。日差しや風を通しやすくするために蹴上げ部分の板は無くし、踏み面部分もグレーチングなど穴あきにしていると尚良いでしょう。

作る場所としても、別途階段室として作るよりも、リビングイン階段とすることでより日差しも空気も通しやすくなります。

階段であればいくら土地が狭くても必要空間として必ず取ることになりますので、一石二鳥として日差しや換気のためにより有効に活用することができます。

であれば、南側に吹き抜け空間で日差しを取り入れ、北側に階段を設けることで空気が流れる道を作れば、より快適な家にすることもできます。

もちろんこうすれば必ず理想通りに行くというものでもないのですが、もし空間に余裕があれば、換気と日差しのことを考えて南面や北面に吹き抜けや階段を設けても良いかもしれませんよ。

吹き抜けやリビングイン階段など、メリットも多い反面、致命的なデメリットも多いのが実情です。

だからこそ、デメリット部分に対策を取ったうえで採用することができれば、より快適に過ごすことができるようになりますよ。

Author: iehome