地下室のいいところ、良くないところ

2021年01月21日 追記・変更

書斎やスタジオなど色々な用途で使うことができる地下室には防音に優れていたり、地震に強かったりなど良い面も多い反面、防水など水関係についてなど注意すべき点も多くあります。そんな地下室のいいところ、良くないところについて紹介していきます。

■地下室のメリットは優れた断熱性や防音性など様々!

地下室が欲しいという方は多いのではないでしょうか。

しかし地下室には大きなメリットと共に大きなデメリットも存在します。

だからこそ地下室を作るかどうかは慎重に検討する必要があります。

さて、そもそも地下室を作る目的はいろいろあると思います。

家を建てる地域に高さ制限があり、上に部屋を作ることができないから下に部屋を作るという場合であったり、地下に防音対策を施したスタジオを作りたい、という場合であったり。

目的は様々だと思いますが、まずは地下室を作ることのメリットについて紹介していきましょう。

まず、地下は断熱性が非常に高く、さらに防音性もあり静かです。だからこそ音楽ができるスタジオを地下室に作る人も多いのです。もちろん防音対策は必要ですが。

また、地下は地震に非常に強い造りになっており、大きな地震が起きた時に、地上階は全壊であったのに、地下室だけは全く無事だったという事例もあります。そのため、地下室を避難シェルターとして活用している人もいるくらいです。

他には、地下室は光が全く入ってこない「真っ暗な部屋」というイメージを持たれがちですが、ドライエリア(※1)を造ったり、ハイサイドライト(※2)を設けたりすることで、充分な採光を取ることは可能なのです。

※1 ドライエリアとは、採光や通風を目的とした地下室の外側に掘り下げられた空間のこと
※2 ハイサイドライトについては「トップライトとハイサイドライトの違い」も参考にしてください。

さらに、地盤面から天井までの高さが1m以下などの条件もありますが、「延べ床面積を増やすために」でも紹介している通り、地下の床面積については住宅の床面積の3分の1まで容積率算定面積に不算入となります。

このように、一般的なイメージよりも地下室というのは非常に優れた部屋となっているのです。

■水関係や費用など地下室のデメリットも忘れずに...

ただし、地下室を造る上で気を付けなればならないこともあります。地下室の弱点、それは水関係です。

除湿、防湿、防水といった水関係は、慎重な対応が必要です。当然のことながら地下室は地下にありますので、地中の水に対しては初期の段階で石橋の上を叩いて渡るほど気を付けてください。

同様に、地下室内の環境を良好に保つためにも換気計画についてはよく考えておく必要があります。ドライエリアを作ったから大丈夫というものでもありませんので、別途換気計画を考える必要があります。

そして、地下に穴をあけ建物を造ることになるわけですから、山留工事やコンクリート工事など仮設工事・基礎工事費用は大幅にアップすることとなります。

また、先に述べた理由で地下室は防水・防湿など強固に造る必要がありますので他の部屋に比べるとどうしても費用がかさみ、加えて地下室を造ることで建築面積が増えることもあり、結果としてあなたの理想の家はかなり高額な建築費用が必要となってしまいます。

費用が許容範囲であり、水関係への対策さえしっかり取ることができれば、地下室というのは色々な用途に使えるスペースとなります

慎重な検討が必要にはなりますが、特に狭小住宅の場合には大きなメリットのある空間でもありますので、検討してみる価値はあるかもしれませんよ。

Author: iehome