家づくりにの中でも最も夢が膨らむのが間取りの検討ですが、家が完成すると変更できない部分でもあります。だからこそ住んでから失敗に気づく、ということが無いように間取りを考える際に押さえておくべきキーポイントについて紹介していきます。
■間取りは簡単に交換・取り替えができないので慎重に!
では、まずは家づくりにおいても、住んでからの生活においても非常に大きな影響を与える間取りについてです。
もしかしたら間取りについては漠然とイメージがついている方はいるかもしれません。
寝室があって、隣に子供の部屋があって、1階には大きなリビングルームがあって、大きなオープンキッチンがあって・・・、など。
私も昔から家の間取りを考えるということが大好きで、昔からよく新聞に入っている家のチラシを見ては、この間取りは収納がちょっと少ないなぁ、とか、このリビングは大きすぎるなぁ、などと一人でよく空想していました。
やっぱり家づくりの中でもこの間取りを考える部分が一番楽しい部分でもあり、自分の理想の家というものを一番イメージしやすいものかもしれません。「まだイメージしてないよ。」という方に関しては喜んでください。この部分が家づくりの中で一番楽しい部分です。
ただし、この間取りを決めるということは、他の3つ(設備・庭・外装)を決めることとは大きく異なる重要な点を持っています。他の3つの視点に関しては、正直な話、お金をかけさえすれば家を建てた後でも交換・取り替えすることは概ね可能です。
しかし、間取りという部分だけは、一度家を建ててしまった後は、簡単に交換・取り替えするということはできません。もし直すのであれば、極端な話建て替えなければならないということもあります。
せっかく一生に一度の買い物だと思って理想の家づくりをしたのに、建ててすぐに大きな費用をかけて建て替え、なんてことにはなりたくないものです。
もちろん絶対に間取りを変えることができないというものではありませんので、将来の変化に応じて間取りを変えることができるように可変性のある家にしておくこともできます。ただ、その場合は初めから可変性のある家として設計しておく必要があります。
どちらにしても、将来のことまで踏まえた上で後悔しない間取りというものを初めの段階で詳細にイメージしておく必要があるのです。
■間取りのキーポイントは「何年住むか」、「コンセプト」、「動線」の3点
そして間取りを考えるうえでの基本のキーポイントとしては、3点です。
- 建てた家に何年住むことになるのか考えましょう。
- 今お子さんがおられない方も、将来子供ができた時には子供部屋を用意する必要が出てきます。そうなったら子供部屋が将来必要になるかもしれない。子供部屋は1部屋でいいのか、2部屋必要なのか、それ以上いるのか?などということを、将来設計とともに考える必要が出てきます。
- 他にも、今の荷物を全部収納するだけの収納スペースはとれるのか?また、将来荷物が増えてもしまえるだけの収納スペースは確保できるのか?など、今後も10年20年先も見据えて間取り設計が必要です。
- 子供が独立した後に夫婦二人で住むことまで考えるのであれば、やはり間取りを変えやすい家にしておくということも大事になってきます。
- 家のコンセプトを考えましょう
- 癒しの家とするのであれば、中庭は必要だろうか?家族団らんであれば、リビングは1階?2階?楽しい家であれば、人をたくさん呼べるように客間を用意しておいたほうがいいのだろうか?など、家のコンセプト(求める役割)によって、おのずと間取りも変わってきます。
- コンセプトによって部屋の数、大きさも、総予算も変わってくる部分もありますので、どのような家にしたいのかということは事前に家族でしっかりと話し合うことが大事になります。
- 今の生活習慣を元にして動線(※)を考えましょう
※ 動線⇒簡単に言うと、日々の生活の中で人が自然に動く経路になります。- もし今まで通りの生活習慣にするのだったら、廊下は必要か?今の導線で不便なところはどこか?朝出かける前あまり時間がない人であればダイニング・トイレ・洗面所は近いほうがいいか?など、動線が悪いと日々の生活も不便に感じてしまうことがありますので、動線も意識して間取りを考えましょう。
- 動線としても家事動線、生活動線だけではなく、来客動線やお風呂動線、介護動線など多岐に渡って考慮する必要がありますので、どのように日々を過ごすかということを詳細にイメージすることが大事になってきます。
以上のキーポイントをしっかり押さえておくだけで、詳細な間取りをイメージしやすくなりますよ。
とはいえ、間取りには色々な要素というものも絡んできます。気にする方にとっては、風水・家相というのは非常に重要な問題ですし、土地が狭くて思い通りに間取りを作ることができないということもあるかもしれません。
家ができてから後悔してもすぐに対応できないのがこの間取りでもありますので、間取りを決めるために十分に時間をかけるようにしましょうね。