耐震等級1や耐震等級3などの表記があります。この耐震等級とは何を表すものなのでしょうか?耐震等級の数字が持つ落とし穴について紹介していきます。
■一番低い耐震等級でも震度7では倒壊しない!?
平成12年の住宅性能表示制度により耐震等級が定められました。
耐震等級とは、住宅の構造がどれだけ地震に耐えることができるかということを、つまり耐震性を数値で表したものです。
この耐震等級には1、2、3の3段階があり、3が最も耐震性能が高い住宅ということになります。
そして、この耐震等級1、つまり一番低い耐震等級が、建築基準法で定められた耐震性能と同じレベルの耐震性を備えていると規定されています。この耐震等級1は、東京では震度6強から震度7ぐらいの地震がきても建物が倒壊しないレベルの耐震性になります。
そのように聞くと、耐震等級3の住宅であれば、かなり安全なような気がしてきます。
■耐震等級3でも家に住めなくなることも...
最近では、特にハウスメーカーにおいて、耐震等級3の住宅をウリにしているところが増えてきました。
とはいえ、仮に耐震等級が高かったとしても安心しない方がいいでしょう。実際に地震が来た場合には、想定しない負荷が住宅にかかることになります。そうなった場合に、この耐震等級は住宅が絶対に倒壊しないということを保証するものではありません。あくまでも目安でしかありません。
ですので、耐震を考える際に大事なのは、耐震等級3の建物を建てる、ということではなく、どのような地震対策を取った住宅にするか、ということが大事になります。
何よりも、耐震等級1の場合ですと、目安としては震度7の地震でも倒壊しないことですが、地震の後に住むことができるかどうかまで規定しているわけではありません。
地震というのはいつ来るか分かりませんし、どのような規模の地震が来るかもわかりません。ですので、耐震等級を考えるよりも、地震対策として何をするか、ということを考えるようにしてくださいね。