家庭内事故を防ぐ対策を取ろう

家庭内事故を未然に防ぐ!転倒事故対策には手すりや段差解消が効果的。ヒートショックを防ぐ断熱性能や暖房換気扇、そして浴室溺死対策に手すりやノンスリップ床面が役立ちます。家づくりの段階で魅力的な安全対策を取り入れましょう!

 皆さん、家庭内事故というワードを聞いたことはありますか。火災や地震などを連想される方もいらっしゃると思います。実際には、溺死、窒息、転倒・転落の順に死亡者数が多いと厚生労働省の調査で判明しています。死亡者の約8割以上は65歳以上の高齢者です。

 大切なマイホームで、命に係わる事故を起こしてはなりません。家庭内事故は、家づくりの段階で対策を立てることが可能です。今回は、「転倒事故」「ヒートショック」「浴室内溺死」、以上3つの家庭内事故防止対策をご紹介します。

1.転倒事故の対策

 主な転倒事故の場所は階段です。原因としては、手すりが設置されていないことや、階段の踏面部分が滑りやすいことがあげられます。手すり設置の原則としては、下る際の利き手側(大方右)に設置しましょう。階段形状によっては両側設置も望ましいです。また階段の先(段鼻)部分には、あらかじめ滑り止めを設置することで転倒を防止できます。

 転倒が起こりえる場所としては、洗面室などの段差もあります。特に2階部分に洗面室を計画する場合は、配管の関係で床が廊下面より上がるケースが多いです。洗面室の床の段差をなくせるか、事前に設計事務所へ相談しておくべき内容です。

 家の間取り上、どうしても段差ができてしまう部分には、足元に人感センサー付きのライトを設置する対策もあります。夜間の視認性を高めることで転倒を防止しましょう。

 段差解消のスロープを設置する対策方法もあります。こちらはスロープ設置の奥行きを考慮した間取りの設計が必要となりますので、事前に設計事務所へ相談することをおすすめします。

2.ヒートショックの対策

 ヒートショックとは、急激な温度変化により身体がダメージを受けることです。血圧の急激な上昇により、心臓や血管の疾患が起こり、死亡事故につながる恐れがあります。冬場の入浴前後の寒暖差で発症するケースが多いです。

 家づくりからの対策としては、住宅自体の断熱性能を上げることが1つです。断熱性能の高い住宅では、リビングなどの居室から、廊下、洗面室に至るまでの寒暖差を極力解消することが可能です。

 次に、浴室暖房付換気扇を設置することをおすすめします。浴室の天井部に設置された換気扇から温風を出すことによって、湯船から出た際の寒暖差を軽減します。

3.浴室内溺死の対策

 浴室内溺死の対策として、浴槽回りなどの段差部分に手すりを設置するとよいでしょう。縦型、横型、L字型の手すりなど各種メーカーのオプション設定があります。手すりにつかまり、踏みとどまることができれば溺死のリスクを軽減可能です。

 また、浴室床面をノンスリップ加工の施された素材を採用することで、転倒による溺死のリスク軽減ができます。

4.まとめ

 いかがでしたでしょうか。今回は家庭内事故を防止するための対策を3つご紹介しました。不慮の事故が起こってしまった後では、悔やんでも悔やみきれません。家づくりの段階から、可能な対策は取るということを忘れないようにしてくださいね。

Author: house building