快適な室内環境・・・、って何??

快適な室内空間を作るために必要な要素としてはどのようなものがあるのでしょうか?温度・湿度・気流・放射などを踏まえて、どのような状態だと快適だと感じるか、また不快指数はどのようなものなのか、ということについて紹介していきます。

快適な室内環境ってどんなもの?

住み心地のいい住宅の条件はいろいろありますが、快適な室内環境であることはほとんどの人が挙げる条件の一つではないでしょうか。

そこで今回は、快適な室内環境をつくりだす要素にはどんなものがあるのか、その種類や判断基準などを紹介します。

室内環境においては、人がその空間で生活する上で身体的にも精神的にも健康に、そして快適に過ごせることが求められます。

通常は温度・湿度・音・気流・光の放射などの要素を総合的に見て快適性を判断します。ただしどの条件がそろえば快適だと感じるかは個人差が大きく、その時の気分や過去の体験などの心理的要素も重要です。

その他、室内にいる人の活動量や着衣量も影響を与えています。

■快適な室内環境の条件は?

それでは室内環境の快適性を判断するための一般的な要素についてそれぞれもう少し詳しく見てみましょう。

温度
冬場は18~23℃前後、夏場は25~28℃前後が最も快適性が高いとされています。いわゆる「冬暖かく夏涼しい家」ですね。冷暖房を過剰に効かせない生活ともいえるため、省エネにもつながります。

湿度
四季のどの時期であっても40~60%程度が適切だとされています。木造住宅だとかつては柱や梁などの構造材や珪藻土などの仕上げ材が湿気の調節をしていましたが、ビニールクロス仕上げの内装が増えているため木構造でも調湿機能はあまり期待できません。

床や壁・天井の仕上げ材を調湿機能のあるものにしたり、家全体に空気が循環する構造にしたりすると、室内の湿度が調節しやすくなります。


「健康を保護し、生活環境を保全する上で維持されることが望ましい屋外の騒音レベル」として環境省が設定しているのは、昼間で55dB以下、夜間で45dB以下の音環境です。

隣家の生活音や前面道路の車両通行音、公園や学校などが近くにある場合はそこから伝わってくるさまざまな音をしっかり遮ることが、適度に静かな室内空間をつくる上で大切です。

気流
室内の空気が0.1~0.2m/s程度以上で動いていると快適性が高まります。湿気がたまりにくい上、室内にいる人の肌の表面を空気がゆるやかに流れるため特に夏場は気化熱によって過ごしやすさを感じることが多いでしょう。

光の放射
太陽光が窓などから室内に入り拡散することで明るさが確保できると、特に心理的な快適性が高まります。他の要素と比べると機器やインテリアなどで調整できる部分が少なく、方位や季節・天候等による影響が大きいため天窓の活用などの工夫が必要でしょう。

■不快指数とは?

さて、梅雨シーズンなどによく耳にする不快指数という言葉があります。これは温度と湿度の関係によって蒸し暑さのために不快だと感じる状態を、ある計算式に当てはめて数値化したものです。

ある空間で不快指数が70を超えると不快だと感じる人が出はじめ、80を越えるとその空間にいる人全員が不快だと感じます。室温が少し高めでも湿度が低めだと不快感があまりないといったことが起こるのは、不快指数の数値が抑えられているからです。

不快指数はあくまでも温度と湿度という要素で求めるものなので、気流による気化熱の効果までは考慮されていません。実際の空間では24時間換気システムなどで対流が起きていることも、不快指数を考える上では考慮したいですね。

Author: iehome