昔の住宅では風通しの良さを第一に考えていたため、夏場には風鈴もよく鳴っていましたが、最近では風鈴の音を聞くことがめっきり少なくなりました。風通しの良い家にするとどういった利点があるか、そのためにはどんな工夫があるかについて紹介していきます。
■今の住宅は窓を閉めても快適に過ごせるけれど...
最近の住宅は、多くが高断熱・高気密住宅となっています。そして、冷暖房器具の進化により、夏場・冬場であっても家のなかで快適に過ごすことができるようになりました。
さらに、窓を閉めておいても滞りなく換気できるように換気設備が進化し、24時間換気が義務付けられるようになりました。
しかし、そのことにより家のなかで風を感じることが昔に比べて格段に減ってきました。昔は夏場の暑さを少しでも解消するために窓を開けっ放しにしていました。冬場は寒さに耐えながらも、暖房器具で淀んだ部屋の空気を入れ替えるために冬場でも窓を開けていました。
今の日本の住宅においては、わざわざ窓を開けて家のなかに風を入れなくても快適に過ごすことが出来てしまうが故に、夏場や冬場に窓を開ける回数というのが極端に減ってしまいました。
もちろん、換気設備さえしっかりと整っていれば、窓を閉めていること自体に大きな問題が発生するわけではないのですが、それでも自然を感じることができる家に住むことで気分としても気持ちよく過ごすことができます。
■空気の動きを意識しよう!
風通しのいい家に住むことの利点としては、夏場の涼しさという点もあるのですが、やはり部屋の湿度調整という面が大きいのではないでしょうか。特に梅雨の時期の湿度は、不快感を感じるだけではなくカビなどの発生により体にも悪影響を与えますので、できるだけ空気の入れ替えを行いたいものです。
もちろん、除湿器やエアコンのドライモードでも除湿を行うことはできるのですが、無駄に電気代がかかってくることもありますので、できれば自然に除湿を行えるようにしておきたいものです。
風通しのいい家にするためには、何よりも窓の対面側にも窓があるということが重要になります。対面にも窓があることで風が抜けていきますからね。もちろん必ずしも正面でなければいけないわけではなく、対角線上でも問題ありません。
しかし、場合によっては窓の対面側に窓を持ってくることが難しい場合もあると思います。
そのような場合には、せめて家のなかで空気が循環するように、できるだけ家のなかに行き止まりを作らない方がいいでしょう。行き止まりを作らないことで、空気が回遊しますので、空気の流れを作ることができます。
ちょっとした工夫でも、費用をかけずに家のなかで快適に過ごすことができますので、設計段階で風通しの良い家にするということも意識してみてはいかがでしょうか。
風通しの良い家にするための工夫まとめ |
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●今の日本の住宅は、夏場や冬場に窓を開ける回数が減ってしまっている ●風通しの良い家にすることで、自然に除湿を行うことができる ●風通しのいい家にするためには、窓の対面側にも窓があるということが重要 ●家のなかで空気が循環するように、家のなかに行き止まりを作らない方がいい |